上限3倍超のカフェインを摂取した36歳男性が急逝 「深夜に長電話」の証言も

健康を害する覚悟でカフェインを摂取するなどナンセンス。人の体には睡眠が必要だ。

2020/07/12 08:20

カフェイン
(anmbph/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

仕事、学業、プライベートなど理由は何であれ、深夜にも起きていなければならない時、眠気を払うためにカフェインを摂取する人はいるだろう。しかし大量の摂取は禁物だ。


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■シェアハウスの自室で急逝

英国・ケンブリッジシャーで溶接工として働き、健康体だったはずのルカズ・サンデレフスキーさんという36歳男性。そんな彼が昨年12月、シェアハウスの自室で遺体となって発見された。

離れて暮らしている母親がルカズさんと突然連絡が取れなくなったことを心配し、シェアハウスの仲間に安否確認を依頼。心肺停止の状態で発見されたルカズさんが、その後に息を吹き返すことはなかった。

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■驚きの血中カフェイン濃度

遺体の血液検査で、血中カフェイン濃度に注目が集まった。血液1ミリリットルあたり、282マイクログラムという極めて高い値を示していたのだ。

これ以上は危険とされる上限値は70~80マイクログラムと考えられているが、ルカズさんの血中カフェイン濃度はその3倍超にも及んだ。

また、血中アルコール濃度は100ミリリットルあたり112ミリグラムという数値が出たことから、大量のカフェイン飲料とアルコールの併用による危険も生じていた。

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■あまり眠らない生活

検死当局からそうした報告を受け、警察はルカズさんの死因をカフェイン中毒死と断定した。遺体の状況から自殺の疑いや事件性が否定された一方、室内では床の上に無数に転がるカフェイン入り飲料の空缶・ボトルが目立ったという

死亡推定日の前夜、午前1時頃に仕事から帰宅していたルカズさん。その後、夜通し誰かと電話で話す声が隣の部屋に漏れており、睡眠不足も顕著だったことが考えられる。


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■エナジードリンクの危険性

カフェインの大量摂取で起きる心身の変化を見逃してはならない。過緊張、感覚や神経の過敏さ、手足の震えなどのほか、不整脈、動悸など循環器系に異常をきたす例もあり、死亡例では心肺停止の状態で発見されることが少なくないからだ。

日本では2015年12月、日常的に大量のエナジードリンクを飲んでいた九州地方の20代男性が死亡。国内初のカフェイン中毒死として大きく報じられた。

エナジードリンクの人気が増すにつれ、カフェインの過剰摂取で死亡する事例は国内外で確実に増えている。年齢制限などを検討する国も増えているようだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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