「肩車してあげる」は魔法の言葉 男に誘拐されかけた2歳女児がギリギリで保護
男は警察に、「こんな可愛い子から目を離してしまう親のほうが悪い」などと話したという。
人混みに幼い子供を連れて行くときは、決して子供から目と手を離してはならない。迷子も怖いが、誘拐のチャンスを狙っている悪い人間がいないとは限らないからだ。
■母親が目を離した隙に…
ドイツ・ベルリンの中心部にあるボックスハーゲナー・プラッツ。賑やかな蚤の市で観光客にも有名なこの公園で、母親と共に訪れていた2歳の女児が男に連れ去られた。
他のことに気を取られた母親が我が子から目を離し、その直後に起きた一瞬の出来事だった。しかし、ある女性の鋭い観察力と機転のおかげで女児は保護され、母親の元に無事戻された。
■人混みでターゲットを物色か
女児を救ったのは、自分も2歳の娘を連れていた27歳の女性だった。同じくらいの年齢の親子がいることに気付き、何気なく眺めていて異変を察したという。
母親が女児の手を離したところ、背の高い眼鏡をかけた男が女児に近づき、何やら話しかけるとその体を抱き上げて肩車した。母親がまったく気づいていない中で足早に去った男を不審に思い、女性はスマートフォンで男と女児の写真を撮影。「誘拐」の文字が頭をよぎったという。
■「あなたの娘か」と問われ沈黙
ただし女性は小さな娘を連れており、追いかけるのは困難だと判断。屋台を経営している男性に協力を求め、自分は警察に通報した。追いついた男性が「肩に乗っているその女の子はあなたの娘か」と声を掛けると、男は沈黙。あわやのところで女児は保護された。
男の身柄は警察へと引き渡されたが、嫌疑不十分だとして釈放されているため、いつどこに再び出現するかわからない。男以外にも危険な人物は大勢いる可能性があり、親たちは大切な我が子から決して手や目を離さないよう気を付けるしかない。
■子供は肩車が大好き
女児は抵抗することなく男の肩にまたがっており、高い所からの眺めを楽しんでいるようにも見えたという。そのため「肩車してあげようか」という言葉に喜び、一緒に行ってしまったとも考えられる。
幼児の心を惹きつける魔法のような言葉で誘いかけてくる大人がいても、決してついて行ってはならない。親たちはそのことを、日頃から子供とよく話しておくべきだろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)