ビール10本を飲み爆睡した男性 18時間もトイレに行かず膀胱が大惨事に
トイレの我慢で一番悪いパターンは「酔って爆睡してしまうこと」だという。
尿意をひどく我慢している子供が、大人に「膀胱が破裂してしまうよ」と注意され、早くトイレに行くよう促される光景を見かけることがある。膀胱の「破裂」とは本当に起きることなのだろうか。
■膀胱の3ヶ所が破裂
中国・浙江省諸曁(しょき)市にある諸曁市人民医院に、「Hu」さんとだけ明らかにされた40歳の男性が、下腹部の激烈な痛みを訴えて運び込まれた。
CTスキャンにより、Huさんの尿路に問題が起きていることが判明。膀胱の3ヶ所が裂けており、それにより悶絶するほどの痛みが生じていた。
■最後の排尿から18時間も
激痛で横になることも困難だと訴えるHuさんは、医師の問いかけに「ビールを10本飲み、その後は眠ってしまった。激痛で目が覚めた」などと答えた。
ビールには利尿作用があるにもかかわらず、最後の排尿から18時間が経過していると説明したHuさんには「膀胱自然破裂」の診断が下され、ただちに緊急手術が行われた。
この病院には、同様の症状を訴える患者が毎年少なくとも1人は救急搬送されていた。稀なこととはいえ、尿でパンパンになった膀胱が破裂するという現象は、実際に起きているという。
■命の危険も
Huさんの場合、腹腔内に向かって裂けた膀胱のある1ヶ所に腸管が入り込んでいた。腸管の周囲に腹水が貯まることも危険だが、孔にはまり込んだ腸管の組織が壊死する可能性もあり、このたびの手術は一刻を争うものだった。
また、膀胱の自然破裂は大量の飲酒に起因するものが多いとのこと。Huさんと同様に、酔って深く眠り込むことで、無意識のうちに「我慢」の状態が続いてしまうことが良くないという。
■柔軟性はあるものの…
執刀にあたった同病院の医師は、Huさんに「ヒトの膀胱は柔軟性があり、尿量次第でかなり膨張するが、それでも最大500ミリリットルほどと考えるべき」と限度があることを説明。今後、決して尿意を我慢することがないようにと注意した。
なお、尿が充満しているときに交通事故や暴力行為などに見舞われ、膀胱がダメージを受けた場合は「外傷性の膀胱破裂」と呼ばれるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)