患者数千名の体をカメラ24台で撮影 信頼を裏切った美容整形外科医に処罰は下るか
街の一等地にあるホテル内に開設された、セレブな美容整形外科。もし院長に「盗撮」の趣味があったとしたら…?
腕の良さと実績を信頼し、執刀をお願いすることにした美容整形外科医が、あろうことか盗撮じみた行為を働いていた。裏切られたと感じている患者は数千名にもおよび、怒りと失望感はただならぬようだ。
■一等地にある有名クリニック
カナダ・トロントのベイエリアに立つ5つ星ホテル「フェアモント・ロイヤル・ヨーク・ホテル」に、2017年から美容整形外科クリニックを開設していたマーティン・ジューゲンバーグ氏(45)。
『Dr. 6ix』の異名をとり、メディア露出の機会も多いことからセレブな顧客を多数抱え、豊胸手術を中心に大変な収益を上げていた。
■24台ものカメラが作動
ところが、このクリニックで手術を受けた患者について、無断で裸体を撮影した画像や音声付きの動画がSNS上に流出していることが、17日に発覚した。
受付、待合室、廊下のみならず、診察室にまで計24台のカメラが設置されており、露出された患者のバスト、臀部や陰部が撮影できるようになっていた。
また、ジューゲンバーグ氏のオフィスへの出入りを許されていた知人の医師らが、そうした画像や動画を閲覧していたこともわかっている。
■撮影への同意はあったのか
この盗撮じみた行為の被害に遭った患者の数は数千人にものぼるが、とりわけ大きな問題になっているのが、ある番組の撮影スタッフが入り込み、豊胸手術の様子を撮影したこと。患者は「断りもなしに撮影された」と激怒しており、刑事告訴の可能性もなきにしもあらずだ。
しかし、『トロント・サン』紙の取材に応じた同氏は「患者様から拒否されれば撮影など行わない。今思えば、その同意をちゃんと書面で示してもらうべきだった」などと主張している。
■医師会が懲戒処分を検討中
2018年にもカメラの多さに不信感を抱き、クリニックに対しメールで指摘した顧客がいた。
その際は「セキュリティ上の目的で設置している」と返答し、盗撮行為などではないとしたジューゲンバーグ氏だが、手術台では患者が肌を露出させている。医師会は昨年、不適切なポジションに設置されているカメラをすべて取り除くよう同氏に命じていた。
そうした注意にも意識を変えることがなかった同氏。著しいプライバシーの侵害が繰り返されたことに、オンタリオ州医師会は今度こそジューゲンバーグ氏の懲戒処分を検討しており、公聴会は7月まで続くという。
・合わせて読みたい→わき下施術に飛沫感染のリスクが? 美容クリニック医師の言葉に納得
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)