『伊東家の食卓』を再検証 「アク取り」する裏ワザ実験で予想外の結末
『伊東家の食卓 裏ワザ大全集』を偶然古本屋で手にした記者が、約20年経った今、当時の裏技でアク取りに挑戦。
2020/06/21 12:00
約20年前、一斉を風靡した番組『伊東家の食卓』(日本テレビ系)。
あの身近な裏ワザを毎週紹介していた人気番組を凝縮したような書籍『伊東家の食卓 裏ワザ大全集』を偶然古本屋で手にした記者が、約20年経った今、当時の裏ワザを試してみることにした。
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■捨てるはずの”アレ”を活用
今回試すのは、「意外なリサイクルで鍋のアクを取る裏ワザ」。早速ネタバレすると“意外なリサイクル”とは、使用済みのティーバッグを使うこと。20年経ってもティーバッグの素材は変わっていないだろうが、もしかしたら使えない可能性もある。ではやり方を紹介する。
①使用済みのティーバッグを切って中の茶葉を捨て、袋を洗い、乾かしておく
②アクが出た鍋に①のティーバッグ袋を入れてくるくる回す
③アクだけが綺麗に取れる
そんな上手い話はないだろー!と思い、早速実践。野菜や肉をたっぷり煮込んだアクだらけ鍋にティーバッグの袋を垂らしてみたところ…なるほど、確かにアクが取れる! 布の表面にアクがひっついて簡単に取ることができるのだ。
ちなみに、紅茶を淹れるときと同じく紙部分を持って引っ張り回しそうになるが、そんなさわやかティータイム感はこのアク取りには不要。普通に箸でつまんでササッと表面を拭うのが一番手っ取り早い。
■ポイントは素材にあった
なんでこれこんなに取れるんだろう。調べると、ティーバッグは湯と茶葉を触れ合わせるべく目の粗い不織布で作られているため、繊維の隙間にアクが入り込みやすくキャッチしやすいという理由らしい。
しかしそうであれば、お茶パックやコーヒーフィルターでも同様の効果が得られるのではないだろうか。正直なところ紅茶パックは小さいため、大きな鍋でアク取りするには途中で洗う必要があったり、そもそも茶葉を捨てる下準備がちょっと面倒くさい。
時代は令和だ。この裏ワザを超えるため早速、お茶パックとコーヒーフィルターを買って実践してみた。
■裏ワザが進化してしまう
鍋に再び肉と野菜を追加してアクを出し、まずはお茶パックでアクを取ってみる。同じ不織布であるおかげか、お茶パックでもなかなかいい感じにアクを取ることができた。しかも紅茶パックと違って大きいため少ない動作でススッとアクを拭うことができる。これは便利。
しかし紅茶パックの時もそうだったがパック部分が白いため、同じく白や透明であるアクが取れているかどうかイマイチわかりにくい。鍋からはアクが消えているので取れているとは思うが…。
次にコーヒーフィルターでアクを取ってみる。こちらは不織布ではなく紙だが、要は耐水性があって目が粗ければ原理的には成立するはずなのでやってみた。
すると、こちらもなかなかいい感じにアクを取ることができた。しかもフィルター自体が茶色いので取られたアクが見える見える! 写真だとわかりにくいがちょっとテカっとしている。こちらも大きいため便利だ。
■今回の総評は…
裏ワザを裏切ってしまって大変申し訳ないが、サイズが大きいほうが使いやすいため、記者としてはお茶パックかコーヒーフィルターを推奨する。
またこのアク取りで一つだけ注意して欲しいのは、アクを取った不織布は何であれさっさと鍋から引き上げるべきということ。徹底的なアク取りたさに何週もしていると、せっかく不織布に引っ付いたアクが再び鍋に溶け出してしまうのだ。
何度か実験してみたが、不織布によるアク取りは串揚げ同様「一度漬け」が圧倒的にちょうどいいという結果になった。
コーヒーフィルターを探して100均に行ったところ、まさに不織布で作られた「アク取りシート」なるものも売っていた。おそらくアクを取るメカニズムはこれまで説明したのと同様だ。
大体どのメーカーも100円で10枚程度で売っているが、サイズは違えど30枚くらい入っているお茶パックやコーヒーフィルターのほうが断然コスパがいい。
よく料理をする人、逆に全然料理をしなくて調理道具をむやみに増やしたくない人に、記者としてはこの裏ワザ版をオススメする。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)