悪天候を生かして旅行保険を悪用 5年で4500万円荒稼ぎした女を逮捕
生命保険や医療保険の保険金請求においては、徹底した調査を行う保険会社。そこで女はシンプルな仕組みの旅行保険に目を付けた。
保険を悪用し、お金を稼ごうなどと画策する邪な人間がいる。しかし悪事は発覚し、法で裁かれることに。ロクでもない保険金詐欺を働いた女の話題が、中国から伝えられた。
■5年にもおよんだ悪事
中国・江蘇省の南京市で、45歳の女が保険金詐欺の容疑で逮捕され、警察および保険会社の厳しい事情聴取を受けている。
旅行保険を悪用し、2015年から2019年までに300万人民元(日本円で4,500万円)を荒稼ぎしていた事件で、女については「李」という姓のみ公表された。
■天気予想図をじっくり観察
李容疑者は、「悪天候により空の便に大きな影響が出ている」というニュースを見ていた中で、大幅な遅延や欠航を対象に保険金を支払ってくれる旅行保険があることを知り、悪用することをふと思いついたという。
それ以来、天気予報や予想図をじっくりと眺め、飛行機は飛べない天候だと確信すると航空券を購入し、保障がある旅行保険に加入。予想が当たるたびに保険金を受け取っていた。
■複数の名義で900件も
李容疑者が詐欺を行ったフライトは900便にも及んだが、逮捕には5年もの月日を要した。保険会社がいくつも存在する中、名義も複数が使用されていたためだ。
「やけに利用が多い」と不信感を抱かれないように、航空券の購入も保険の加入も、自身ばかりか家族や友人の名義が多数使い分けていた。また旅に出るつもりは最初からなく、保険金の搾取が目的であったことを本人が認めている。
■保険の約款を見直すことに
死亡・後遺症の保険金や病気やケガの治療保険金を受け取る際には、さまざまな証明書類の提出を求められ、場合によっては面接や調査もある。ところが旅行保険は、乗り物を運行(運航)する会社が証明してくれるため、請求の手続きも簡単だ。
このあたりが「抜け穴」となって保険が悪用されたことから、被害に遭った旅行会社や保険会社は今、加入手続きから保険金受取りの条件や方法まで、急ピッチで約款の見直しを進めているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)