中国「犬肉祭り」は新型コロナの影響なし? 開催・中止のどちらも報じない理由は…

各々の国・土地に長きにわたり伝わる食の文化を、理解、尊重しようと努める人は多い。だがこの「王林・犬肉祭り」はかなり異質だ。

2020/06/20 16:20

■直前まで開催の気配見せず

だが、6月21日を目前にし、祭りの中止に関する知らせは皆無だ。王林市も関与していないため、公式ウェブサイトでも情報は一切得られない。現地が不気味な静けさを保っているのには訳があった。

近年、動物愛護団体が抗議活動を起こしたり、王林市に向かって幹線道路を走る大型トラックの監視を一層厳しくしている。飼い犬が盗まれる例や違法な運送業者が後を絶たないことから、こうした保護活動は法的に問題とはされていない。

そのため、犬を調達する業者と運送業者、そして祭りの主催者はすべての準備を秘密裏に行っており、開催か中止かは直前まで把握が難しいのが現状だ。

そんな中、『南華早報(South China Morning Post)』が「彼らはまた今年もその祭りを開催しそうだ。規模も例年とほぼ同等。世界の数千万人からの抗議に屈する気配は全く感じられない」と報じ、波紋を広げている。


関連記事:川に身を投げた飼い主を待ち続けた犬 橋から離れようとしない姿に人々が涙

■中国でも変わりつつある意識

しかし深セン市は今年春、いち早く「犬と猫の肉を食べてはならない」という条例を公布して話題になっていた。

また、国全体を対象としたある意識調査でも、高齢者が「犬食は暑気払いに最高」などと考えているのに対し、下の世代の多くが「犬は愛玩動物。食べるのは嫌だ」「動物由来の感染症を恐れるべき」などと回答したことがわかっている。

こうしたことから、世代交代とともに、犬や猫の肉を食する文化は廃れると考える人も増えているようだ。

・合わせて読みたい→「新型コロナ」民間療法は黒猫を煮詰めた怪しい液体? ネット販売も物議

(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【Amazonセール情報】ココからチェック!