中国「犬肉祭り」は新型コロナの影響なし? 開催・中止のどちらも報じない理由は…
各々の国・土地に長きにわたり伝わる食の文化を、理解、尊重しようと努める人は多い。だがこの「王林・犬肉祭り」はかなり異質だ。
犬を食する文化を「よその国だって食べている」「暑気払いと滋養強壮に最高だ」などと言い、正当化する人が少なくない中国。新型コロナウイルス騒動を経験しても、その考え方はなお変わらないのだろうか。
■1万匹を超える犬を消費
愛犬家ばかりか、世界の多くの人々が「むごたらしい。犬がかわいそう」と激怒してきた、中国・広西チワン族自治区の玉林市に伝わる「犬肉祭り」。
毎年6月21日頃の夏至に始まり、10日間で数千~15,000匹の犬が殺され、消費されてきた。生きたまま客の目の前で串刺しにされ、鍋の大量の熱湯に浸けられ、あるいは火あぶりにされる犬たち。その残酷さは、毎年大きな話題になっていた。
■「今年こそ中止に追い込もう」
国内から大勢のゲテモノ愛好家が集まり、外国人観光客をも魅了してきた犬肉祭りだが、始まったのは2009年であり、「伝統・古来」と言えるような歴史はない。
さらに新型コロナウイルスの大流行を受け、中国政府が新たに条例として定めた「食べることが許される肉」のリストに犬は入っていない。こうしたことからも、世界各地の動物愛護団体が祭りの中止を求め進めてきた署名活動は、今年はかつてないほど活発になっているという。