銀婚式を前に無念の他界した父 託された娘が届けた愛あふれる記念日に母号泣
長年ともに人生を歩んできた最愛の妻。夫は自分の死が近いと予感した時、何より先に残される妻の悲しみを案じたという。
■最愛の妻を喜ばせたくて…
あまりにも早く知らせれば、忙しい娘は記念日のことなど忘れてしまうかもしれない。また準備期間も必要だ。そこで父は、メールの受信日を結婚記念日の3週間前に設定しておいた。
「ママには美容室で美しく髪をセットしてもらい、銀婚式にふさわしい極上の食事をごちそうし、行きたい旅行先があればどこへでも連れて行ってあげてほしい。そのためのお金は準備しておいたから」とメールで娘に依頼した父。
「毎年6月10日の結婚記念日、バレンタインデー、そして8月のママの誕生日には美しい花束を贈っていたんだ。いつもの生花店に代金はちゃんと支払っておいたから、連絡が来たら受け取りに行ってママに渡してほしい」とも記してあった。
■涙が止まらない母親
結婚25周年の記念日となる今月10日、アリッサさんは夜明け前に起きてダイニングルームを風船だらけにし、父の指示通り、歌手ジョン・レジェンドが「ちょっと生意気で勝気な君。そんな君が大好きなんだ」と静かに歌う『All Of Me』をBGMに流した。
そしてアリッサさんは、父がしたためておいた母へのメッセージカードをバラの大きな花束に挟み、起きてきた母に「天国のパパからよ」と言って手渡した。
亡き夫の優しさに改めて触れ、涙が止まらない母。叶うものなら、愛する妻と手に手を取って銀婚式を祝いたかったに違いない父の無念さを思い、アリッサさんもとめどなく涙があふれてきたという。
亡き父の代わりに今後は自分が母を大切にしていく…。アリッサさんはこの日、心のなかでそんなことを誓ったのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)