自粛解除の反動か 高層マンションの屋根で遊ぶ子供を警察が厳重注意
子供たちが、じっと我慢してきた「外で元気に遊びたい」という気持ち。非日常のスリルを求める好奇心も蓄積していた場合は要注意だ。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)が、各地で順次解除となっていた中国。人々の危機感が薄れることでの流行の第二波、第三波到来がこの国でも懸念されているが、解除の反動でハメをはずすのは若者だけではない。
遊びたい年頃の子供たちにおいては、別の意味で注意が必要だ。
■命知らずの危険な遊び
中国・貴州省遵義(じゅんぎ)市のあるニュータウンで、32階建てのマンションの切妻屋根に登って遊んでいた、10歳前後とみられる4人の子供たちが警察に通報された。
子供たちは火災など非常時のみ利用できる出口から屋上に出て、さらに約20分間、急こう配の屋根のうえでしゃがんだり、バランスを取って歩いたり、また避雷針を握りながら踊るなどしていたことがわかっている。
■「肝が冷えた」と目撃者
高さほぼ100メートルというマンションの、決して登ってはならない危険な屋根で遊んでいた子供たち。
その様子を目撃してマンション管理事務所に通報した住民は、いずれも「肝が冷えた」「心臓が止まるかと思った」などと話しており、その後、警察は子供たちの保護者も呼んで注意。処罰があったと報じるメディアもあるようだ。
■長く続いた辛抱の反動か
新型コロナの流行による厳しい外出制限を伴うロックダウンで、じっとしていられない、遊びたくてたまらない元気な子供たちにも、長期にわたり大変な辛抱の日々が続いた。
彼らが再び外に飛び出した際に、ここまでの反動が思わぬ形で現れることがあると多くの専門家が懸念していたが、この子供たちの例をみても、非日常のスリルを求める気持ちや好奇心が大量に鬱積していたことが伺える。
■ニュータウンが抱える問題
事態を重く見た遵義市も、目撃者が撮影したという動画をSNSの公式ページで紹介。子供たちが危険な遊びに興じないよう、市民に広く注意を呼び掛けている。
高層マンションが立ち並び、利便性も高い、いわゆるニュータウンは中国各地で大人気だが、事故・事件・自殺に関係なく、転落して死亡する件数の多さはどこでも大きな問題だという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)