タピオカドリンク1杯に砂糖が99グラムも 毎日飲んだ18歳が高血糖で昏睡状態に
タピオカドリンクは美味しいけれど、1杯何カロリーで、砂糖は何グラム入っているのか、正しく理解しているだろうか。
「空前のブーム」「社会現象」と騒がれたタピオカドリンク。台湾が発祥のこの人気ドリンクが、大変な糖分を含んでいることをご存じだろうか。
■驚きの血糖値
中国・上海市で先月、18歳の女性が突然意識を失い、瑞金病院(Ruijin Hospital)に搬送された。検査したところ、血糖値が基準値より25倍も高いことがわかった。
女性は人工呼吸器を装着され、血液の透析を受けることでなんとか回復したが、5日間にわたり昏睡状態に陥っていたという。
■日々ドリンクに1,500円
女性は回復した後、医師に普段の食生活について尋ねられ、「毎日2杯のタピオカドリンクを1ヶ月にわたり飲んでいた」と答えた。好んで飲んでいたのは、カップ1杯が750ミリリットル入りで、99グラムもの砂糖が含まれた非常に甘いドリンクだった。
また、母親も「娘は他にもコーラなどの甘い飲み物が大好きで、ドリンク類に毎日100元(日本円で約1,500円)を費やしていた」と説明。女性は体重が125キロもある上に、普段から異様な喉の渇きや吐き気、頻尿を経験していたこともわかってきた。
■食生活改善で35キロ減量
総合的に判断し、主治医は女性の病状に対し、危険なレベルの高血糖が原因で起きる「糖尿病性昏睡(糖尿病ケトアシドーシス)」という診断を下した。
女性は入院して健康的な食生活に変えただけで、なんと35キロもの減量に成功。現在は別の病院でさらなる観察と食事指導などを受けているが、「もうタピオカドリンクはこりごり。二度と飲みません」と話しているという。
■腸に大きな塊を形成した例も
上海市で販売されているタピオカドリンク1杯に、90グラム以上の砂糖が入っていることを知って驚いたという女性の主治医。
若い世代に対し、「ここ数ヶ月の間に同じような患者さんを3名治療しています。甘いドリンクの飲みすぎ、糖分の摂りすぎには十分に注意して」と呼びかけている。
河南省では今年1月、タピオカドリンクを2杯飲んだ13歳の少年が腹部の激痛を訴え、大学病院に搬送されていた。タピオカは腸に2つの大きな塊を形成しており、緊急手術で摘出する必要があったという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)