パンダが飼い主と街を散歩? 道行く人々が仰天したその動物の正体は…
パンダは大変デリケートな動物。動物園で眺めるかぬいぐるみを抱きしめるか、そのどちらかしかできないはずだが…。
中国の人々にとって、老若男女を問わない「国民的アイドル」といえばパンダ。その愛らしい姿形は熱狂的なファンを持つという。しかし、ここまでするのはいかがなものか…。
■繁華街を散歩する「パンダ」
中国・四川省の楽山(らくさん)市で今、ある繁華街の横断歩道で撮影された動画が話題を呼んでいる。
道路を横断する大勢の人々の中に混じって歩いているのは、体高が大人の膝ほどという小型の「パンダ」。飼い主と楽しそうに散歩をしているようだが、その様子に動物愛好家たちは激怒している。
■じつはモフモフの白い犬
コロコロとした「パンダ」に首輪とリードをして散歩させていたのは、市内でカフェを経営しているというヤン・ヤンさん。メディアの取材に応じ、その動物がじつは白のチャウチャウ犬で、パンダに似せて黒く染めていることを説明した。
「名前は“可愛い女の子”を意味する『メイ・ニウ(Mei Niu)』です」と嬉しそうに説明するヤンさんだが、多くの人が気にしているのは犬に施している毛染め。腕や脚だけではなく、目の周りまでぐるりと黒く染められていることだ。
■「飼い主のエゴ」と批判も
「天然植物から抽出した無害な染料を用い、専門家に染めてもらった」と主張するヤンさん。だが動物愛護団体は、「動物の毛色を染めるのは皮膚、鼻、目などにダメージを与える危険な行為。飼い主のエゴでしかない」とヤンさんの行為を断固批判している。
中国ではペットショップもそうしたビジネスに手を染めており、白いチャウチャウの毛を部分的に黒く染め、パンダのようにさせられる例は今に始まったことではない。
■動物はデリケート
小さなサーカス団が、客引きの目的で一座の人気者として「パンダ風のチャウチャウ」を飼育することもある。
そうした行為には、地元の動物愛護団体のみならず、有名な動物保護団体のPETA(People for the Ethical Treatment of Animals)までが乗り出し、さまざまな批判や抗議を繰り広げている。
どんなにモフモフしいて可愛らしくても、離れたところで眺めるしか許されない、決して手で触れてはならないデリケートな動物たち。彼らにストレスを与えることは、その命を縮め、繁殖活動を邪魔することにほかならないことを、絶対に忘れてはならない。
・合わせて読みたい→那須どうぶつ王国でスナネコの赤ちゃん爆誕 クリクリお目々に悶絶
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)