9歳男児が大型犬2頭に噛まれて死亡 放し飼いした20代飼い主の男が逮捕
人を襲う可能性がある危険な犬をなぜ2頭も…。放し飼いにしたのも1度や2度ではないようだ。
町の治安に問題がある場合などに、大きな番犬を飼うことがあるアメリカ。飼い主には従順でも、他人には吠えて攻撃的な犬が選ばれることも多いという。しかし、徹底した安全管理をしてこその話だ。
■少年は郵便物を取りに…
米国・アーカンソー州フォークナー郡のマウント・バーノンという町で5月28日朝、庭先のポストに郵便物を取りに出たロビー・テイラーくんという9歳の少年が、そのまま姿を消してしまった。
家族は警察に相談するとともに、全員でロビーくんの行方を捜索。その結果、ロビーくんは雑草が生い茂る近くの野原で、むごたらしい遺体となって発見された。第一発見者は姉だった。
■全身ぼろぼろの遺体
ロビーくんの遺体は全身がぼろぼろで、状況から動物による咬傷が強く疑われた。母親は警察に「どこからか脱走してきたような黒い大型犬2頭を、野原で以前に見かけたことがある」と話し、警察は該当しそうな犬を飼育している家庭について調査を開始。
そして、黒い大型犬2頭を飼っていたトレイ・ワイアットという25歳の男ともう1名の身柄を拘束するに至り、厳しい取り調べを行った。
■犬は動物保護施設へ
その後、フォークナー郡保安官事務所がこの事件について声明を発表。犬は2頭とも地元の動物保護施設に運ばれたことを明らかにした。人を攻撃して死なせてしまった以上、殺処分は免れないとみられる。
また、殺傷能力の高い獰猛な犬を飼っていながら安全管理責任を怠っていたワイアットは、同時に規制薬物や武器の不法所持も判明。起訴にあたっては複数の重い罪に問われるもようだ。
■飼い主には「大人しい子」でも…
ロビーくんの突然の悲しい死に、遺族はひどく打ちひしがれている。また、変わり果てたロビーくんの姿を発見した姉のショックと動揺は非常に大きく、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症は避けられそうにないという。
犬を飼うには、犬の一生について飼い主が重い責任を背負い、最期までしっかりと世話をする必要がある。また、飼い主にとっては「大人しい子」であっても、放し飼いやリードを着けない散歩は厳禁。誰からも愛される犬に育て、ともに暮らしたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)