悪臭漂う民家に男性の遺体 オムツ姿で発見された17・19歳息子は保護へ
父親がある日突然、心筋梗塞で死亡。しかし、すでに大きな体に成長していた息子たちは外鍵がかけられた寝室で…。
警察官たちが緊急通報を受けて向かった民家のある部屋から、若い男性たちの声が漏れ聞こえてきた。その声は家主の17歳と19歳になる息子のもので、彼らはあらぬ姿をして生活していたという。
■心筋梗塞で急逝
オーストラリア・クイーンズランド州のブリスベンで27日、ある民家から「何とも言えない悪臭が漂ってくる」という1本の緊急通報が入った。
同州警察の職員が現場に急行したところ、家主とみられる49歳男性の遺体を発見。持病などから心筋梗塞を起こしたものとみられ、事件性は疑われないという。
■遺体と生存者
家の中はゴミ、古い食品、排泄物、おもちゃが散乱し、キッチンには鶏が何羽も飼育されていた。
さらに男性の遺体に対応していた職員たちは、別の部屋から若い男性たちの声がすることに気づいた。確認に向かった先は外鍵がかけられた寝室で、男性の息子とみられる17歳と19歳の男性が、汚れたオムツ姿で発見されたという。
■息子たちはひどい栄養失調
2人の息子は共にひどい栄養失調で、言葉で何かを説明することができず、現在はプリンス・チャールズ病院で詳しい検査を受けている。
クイーンズランド州の児童保護当局はこの件に関し、「親子が大変悲惨な状況に陥っていたという事実に、非常に胸が痛む。必要とされる福祉サービスやサポートをきちんと受けてさえいれば…」などとコメントしている。
■「父親は善人」と同情も
近隣住民は『news.com.au』の取材に「少年たちは長いこと自室に閉じ込められ、時に叫び声を上げ、自身の糞便で遊んでいるという噂もあった」「明らかに当局の介入が必要な状況だった」などと話している。
そして父親をよく知る人からは「彼は善人。悪い人ではない」という声も。知的障害を抱えている可能性がある息子たちを育てることに、ひとりきりで悩んでいたのではないかとも推測されている。
この家庭に関する情報を地元当局が早くから把握していた場合、職員の対応や児童保護の動きは適切で十分だったのか、多くの問題を提起した事件と言えそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)