『在りし日の歌』を起点に語る中国映画の現在 「やや不満なところも…」
『活弁シネマ倶楽部』最新回では、“中国第6世代”の一人であるワン・シャオシュアイ監督による『在りし日の歌』をピックアップ。
2020/05/29 19:00
■不満な点の理由は…
徐氏はその理由として、「ワン・シャオシュアイ監督は、時代背景を描きながらも、物語の軸となるのは “個人”。でも今回は、大きな“時代性”というものを取り入れた、集大成的な作品となってはいるものの、そこが彼の過去作と違う」と独自の見解を示す。
彼の思う“ワン・ シャオシュアイ監督イズム”からすると、本作はまた異なる作品ということのようだ。また、本作は3時間超の大作だが、「観終わってから思うのは、この作品には3時間という長い時間が必要」だという。
■『喜びも悲しみも幾歳月』フォーマット
森氏はまず本作について、「原題が『So Long, My Son』ですよね…僕は一人息子がいるん ですよ…」と切り出す。タイトルから受ける印象からして、消極的な姿勢で鑑賞したらしいのだが、「わりとグッときましたね(笑)」と感想を述べる。
そして本作に対し、「フォーマットとしては、フォン・シャオガン監督の『芳華-Youth-』やジャ・ジャンクー監督の『帰れない二人』もそうだし、木下惠介監督の『喜びも悲しみも幾歳月』フォーマットですよね(笑)」と続ける。