小池百合子都知事の有力対抗馬か 元日弁連会長・宇都宮氏が都知事選に出馬表明
日弁連会長を務めた弁護士の宇都宮健児氏が今夏の都知事選に出馬を表明。都庁で会見を行った。
27日、元日弁連会長の宇都宮健児弁護士が都庁で記者会見を開き、今夏の都知事選に出馬することを正式に表明した。宇都宮氏は前日にTwitterで出馬の意向を示していた。
■市民から出馬要請
会見の冒頭で宇都宮氏は、多くの市民や市民団体から出馬要請を受け、署名や市民政策集を預かったことを明かし、「そういう声に押されて出馬の気持ちを固めていたのですが、緊急事態宣言が続いていましたので、それが明けてから…と考えて」と出馬の理由を述べた。
小池都政の現状については、「一番しわ寄せがいっているのが社会的・経済的に困難を抱えている人たち。そういう人たちに手を差し伸べるのが政府、自治体の役割。そういう施政が十分に行われていないのではないか」と疑問を呈した。
■緊急の3大課題とは
宇都宮氏が考える「都政が抱える緊急課題」は、次の3点。
①新型コロナウイルス感染症から都民の命を守る医療体制の充実と自粛、休業体制に対する、補償の徹底。
具体的には、「PCR検査態勢充実」「病院や保健所、医療従事者に対する財政支援の強化」「病床・人工呼吸器・ECMO(人工肺装置)・マスク・防具服などの医療器具の充実」「自粛・休業などにより収入が減少した非正規労働者・フリーランス・学生などに対する生活補償」。
②小池知事が昨年12月に打ち出した都立・公社病院の独立行政法人化を中止し、むしろ充実強化を図ること
③カジノ誘致の中止。小池知事は明言していないが、カジノ誘致における調査・検討に予算をつけている。賭博で経済成長を図るのは政治としてあるまじきこと。
そして、「生存できなくなっている人がたくさん出てきている。昨年12月24日、都内江東区北砂の集合団地で男性二人の遺体が発見されました。この部屋に住む72歳と66歳の兄弟で、体重は兄が30キロ台、弟は20キロ台しかなかった。このような悲劇を繰り返してはならない」と語気を強めた。