新型コロナウイルス付着を光で伝えるマスク ハーバード大とMITが共同開発中
マスクに付着する唾液。そのなかに新型コロナウイルスが潜んでいるなら、とにかく早く知りたいものだ。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査方法に関し、ここ数日でどんどん新しい情報が飛び込んできている。注目されるのは、最も簡単で本人でも採取できる「唾液」の利用が可能になったこと。これを利用しない手はないようだ。
■新型コロナの感染を唾液で確認
このたび厚生労働省が「PCR検査の検体採取に関し、唾液を用いる方法を5月中にも開始できるよう検討中」と発表した。
鼻の奥を綿棒でゴシゴシやる従来の方法は、痛いばかりか採取が不十分なら陰性になることもある、などといわれており、採取も簡単な唾液の利用は大きな進歩といえるだろう。
そんな中、興味深いマスク開発の話題が米国から飛び込んできた。やはり唾液を利用しない手はないようだ。
■3時間以内に判明
このたび「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染を検知し、光で知らせるマスクを共同で開発中」と発表したハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同チーム。
呼吸、咳、くしゃみなどで唾液や鼻水による湿気を感じ取ると、センサーが1〜3時間かけて遺伝子配列を調査。新型コロナウイルスのそれと合致すると蛍光シグナルを発し、それを携帯式の蛍光光度計で読み取ることになる。
センサー内臓のマスクを開発するか、それとも手持ちのマスクに取り付けて使うタイプのものを開発するか、現在さまざまな検討が進められているという。
■数週間以内には完成か
こうしたマスクが流通すれば、医療機関を受診しなくとも本人が自身の感染に気付くことができるようになる。
開発チームのリーダーを務めるジム・コリンズ氏は『Business Insider』の取材に、「普段の通勤の際にそのマスクを使うこともできるし、病院が用意して受診する患者に待合室で使ってもらえば、スクリーニング検査になります」と話している。
そのセンサーはエボラ出血熱ウイルス、ジカ熱ウイルス、C型肝炎の検知にも成功していたといい、同じ技術を新型コロナウイルスでも活用したい模様だ。数週間以内の完成を見込んでいるという。
■米国では郵送型検査キットも承認
米国食品医薬品局(FDA)が、自己採取の唾液による新型コロナウイルス検査を承認して話題になっていたアメリカ。医師が処方する検査キットを自宅に持ち帰って唾液を採取し、開発者であるニュージャージー州のラトガース大学・臨床ゲノミクス研究所に郵送するのだという。
検体採取時の感染の危険性を下げられるため、こうした方法は医師にとってもおおいにプラスになる。大学の研究室をはじめ、民間ラボが開発するこうした簡易な検査方法に、ますます注目が集まっている様子だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)