少女の眼の奥に虫が侵入し9時間這い回る アウトドアシーズンには要注意
瞼が「かゆい」のではなく「くすぐったい」と感じていた少女。その眼の奥はとんでもないことになっていた。
聴力の異変や不快感で耳鼻科を受診したところ、耳の奥に虫を発見したという事例が時おり報告されている。温かくしっとりとした耳の中は、虫にとっては理想的な環境だという。そして極めてまれに、これと同じことが眼でも起きているようだ。
■深夜に眼の異常を訴えた娘
米国・ミズーリ州のラクレード郡に暮らすジョゼフ&クリス・モンクさん夫妻と子供たち。4月29日午前1時30分頃、眠っていたクリスさんを6歳の娘シビカイアちゃんが起こし、「眼がすごく熱い。涙がポロポロ出てくる」と左眼の異常を訴えた。
眼の周りの皮膚が赤く腫れていたシビカイアちゃん。結膜炎を起こし、膿もにじんでいる様子に母のクリスさんは仰天し、すぐに身支度を整え、娘とともに救急病院へ急いだ。
■涙管から顔を出した黒い物体
病院の待合室でシビカイアちゃんの目頭の皮膚を大きく鼻側に寄せてみたところ、涙管から黒い物がわずかに見えていた。クリスさんは、寄生バエの幼虫が棲みついて黒い卵を産んだのではないかと思ったという。
そして午前3時近く、強く瞬きしたシビカイアちゃんの眼から細長い物体が飛び出した。床にポトンと落ちたのは、体長2センチほどのクシヒゲムシ科の甲虫だった。
■繰り返し眼をしばたかせる
一家はその9時間ほど前となる28日の夕方、21歳になった長男の誕生日パーティのため、焚火の準備をしていた。その際、やけに眼をしばたかせていたシビカイアちゃん。クリスさんが結膜や瞼の裏側をよく調べたが、まつ毛などの異物は見つからなかった。
さらに、たき火の煙が結膜を刺激すればチクチクと痛いものだが、シビカイアちゃんには「くすぐったい」という感覚が。これも不思議な点だったが、まさか虫が忍び込んでいるとは思わなかったそうだ。
■ショウジョウバエに注意を
日本でも極めてまれにだが、ショウジョウバエ(メマトイ)を中間宿主とする寄生性線虫「東洋眼虫」が眼の奥に侵入、という話が南の地方から伝えられている。
結膜嚢の奥深く、涙腺、涙管などに卵が産み付けられ、幼虫が成虫へと育ち、原因不明の結膜炎、涙、飛蚊症のようにぼやける視野の不良、角膜の潰瘍など、ヒト、イヌ、ネコなどに様々な症状を呈するようになるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)