新型コロナで31歳妊婦が死亡 赤ちゃんだけは助かるも悲しい結果に
新型コロナウイルスがもたらした悲劇。この女性の無念すぎる旅立ちに涙しないわけにはいかない。
現在妊娠中の女性たちには、決して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しないよう、くれぐれも気を付けてほしい。感染しても無事に出産した女性の話題も伝えられているが、時にはこんな悲劇的な例もあるのだ。
■症状がみるみる重篤化
米国・イリノイ州シカゴで、アメリカ合衆国郵便公社(以下USPS)の配達員として働きながら、3人の子を育てていたユニーク・クレイさんという31歳の女性。彼女は妊娠後期で不幸にも新型コロナウイルスに感染してしまった。
若いにもかかわらず、クレイさんの全身症状はみるみる重篤化。このたび4人目の子となる赤ちゃんが帝王切開により取り上げられ、そのわずか1週間後、彼女は無念にも息を引き取ったという。
■赤ちゃんの命は救えたが…
肺炎ほか全身症状の悪化により意識が薄れ、あるいは昏睡の状態に陥り、それが数日ないし数週間にわたり続いた末に息を引き取る患者が少なくない新型コロナウイルス感染症。おまけに、家族の看取りすら許されぬ孤独な旅立ちになるという。
出産の日にクレイさんの意識があったかどうかは明らかにされていないが、母子感染の危険を考え、誕生間もない我が子を腕に抱くことは許されなかったと考えられている。
■局内に多くの感染者
イリノイ州では76,000人を超える新型コロナの感染者が確認されているが、シカゴ市のあるクック郡が51,000人超と突出しており、そこでは死者も2,600人を超えていた。
USPSシカゴ市局の郵便配達員のなかで、初の新型コロナ犠牲者となってしまったというクレイさん。4人の幼い子がいる、まだ31歳と若い彼女が命を落としてしまったことに同僚たちは強いショックを受け、今は深い悲しみに暮れている。
■郵便局員に漂う不安と緊張感
感染者から出された封書・カード、小包ほかさまざまな郵送物に触れることで、ウイルスと隣り合わせになっていると言っても過言ではない郵便局員たち。USPSシカゴ支部では、残念ながら配達員の30名について新型コロナウイルスの感染が判明していた。
妊娠後期だったクレイさんも人一倍気を付け、手指の消毒などを心掛けていたが、それでも感染してしまった。検査で陽性と知った時にも、「いつどこで感染したのか見当がつかない」と話していたという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)