新型コロナの欧州持ち込みに新説 昨年10月武漢開催の国際スポーツ大会からか

新型コロナウイルスはいつ、どこから持ち込まれたのか。当局の発表内容より、実際にはずっと手前にという声が相次いでいる。

2020/05/09 12:30

マラソン
(sportpoint/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

致死率の高い新型コロナウイルス感染症にひどく苦しめられている欧州諸国。「フランスには2019年12月の時点で新型コロナウイルスが持ち込まれていた」という報道が現在大きな注目を集めているが、そこに新しく「昨年10月」という説が加わる可能性も出てきたようだ。


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■10月に武漢で一大イベント

昨年10月18〜27日、国際ミリタリースポーツ評議会 (CISM)が主催する『WUHAN2019/第7回ミリタリー・ワールド・ゲームズ』が中国の武漢市で開催された。参加したのは100ヶ国以上の軍隊の代表となる1万人ほどの軍人アスリートで、日本は出場していない。

そして最近になり、フランス陸軍の代表として派遣されていた1人の陸上選手が、現地で体験していたひどい体調不良についてメディアに告白。新型コロナウイルスは、昨年12月どころか10月下旬にフランスに持ち込まれていた可能性がある、というのだ。

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■当時はPCR検査もなく

その人物はニュース専門局『BFM TV』の取材に、「31歳のマラソン選手」とだけ明かし、このように話している。「現地入りし、トレーニングの時点で体調を崩してしまいました。発熱と呼吸困難、体の痛みで3日間ベッドから起き上がれず、やむを得ず帰国となりました」

「仲間の数名も同様に体調を崩して帰国となりましたが、その時は誰も新型コロナウイルスの存在すら知りませんから、『武漢ではタチの悪い風邪が流行っている』としか考えませんでした」

帰国後に軍の病院を受診したが医師も同様の見解で、当時はPCR検査などもなく、体調はいつしか回復していた。

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■「今思えばあれは…」

世の中で新型コロナウイルス騒動が始まると、選手たちの間からは「あれは新型コロナウイルスだったのかも」という疑問の声が噴出。しかし軍から「検査の必要はない。マスコミの取材を受けても応じず、すべて軍通信本部のメディア対策室へ誘導するように」と抑えつけられてしまった。

そんな中、このほど「今年1月24日に陽性が確認された40代男性患者が、フランスおよび欧州における最初の新型コロナウイルス感染者」として報じられた。

しかし、その男性の体調不良は昨年12月27日からで、感染経路も不明と知り、「自分たちが武漢市からウイルスを持ち帰ったのでは」という不安や疑惑が深まるばかりだという。


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■スウェーデン選手たちも…

フランス紙『ル・パリジャン』もこのニュースを大きく報じているが、じつはスウェーデンでも同様に騒がしくなっている。

「昨年10月に武漢市で開催された国際スポーツイベントで、スウェーデン軍代表選手らが体調を崩し、高熱を出すなどして帰国を余儀なくされていたことが判明」と報じるメディアが出てきたという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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