消毒用アルコール生産の日本酒蔵元 コロナ感染者受け入れのAPAホテルに消毒液を寄付

新型コロナウイルス感染拡大で消毒用アルコールが不足する中、岩手県の南部美人が生産したアルコール消毒液をAPAホテルに寄贈。

南部美人・消毒用アルコール

国内の新型コロナウイルスの感染者は、3日現在で国内で14,839名(厚労省発表/チャーター便帰国者・空港検疫含む)となり、492名が死亡。全世界では356万人人以上が感染し、25万人近くが死亡している。


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■消毒液製造に乗り出す酒造

フェイスマスクやトイレットペーパーは、一時期よりも供給が増え、ドラッグストアやコンビニなどでも以前よりは入手しやすくなった。一方で、品薄状態が続いているのが、アルコール消毒液だ。

厚生労働省は、3月23日、医療機関などに向け「70〜83%のアルコールを手指の消毒に用いてよい」という事務連絡を通達。さらに、4月22日には70%台の入手が困難な場合は60%以上でも使用を認めるとした。

また、国税庁は5月1日、消毒用アルコールに酒税を課さないという臨時措置を発表。こうした国の取り組みを先取りする形で、高知県の菊水酒造や富山県の若鶴酒造、また東京・西麻布の老舗酒販店も新潟麦酒と共同で消毒用アルコールの製造・販売を始めている。

吟醸酒や本醸造酒は、製造の際にアルコール(濃度95%)を添加してつくられるが、その原料用アルコールを水で薄めて製品化したものだ。

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■南部美人は感染者受け入れホテルに寄贈

国内には、大手メーカーだけでなく、全国津々浦々に日本酒・焼酎・泡盛などの酒造がある。国が認めた特例制度も、こうした数多くの事業者が迅速に消毒用アルコール生産を行えるよう期待したものだ。

岩手県の老舗酒造・南部美人も1日からアルコール濃度77%と65%の消毒液の生産・販売を始めた。77%は医療機関などに納入し、65%は一般向けにも販売している。

さらに南部美人は、PCR検査で陽性が判明した無症状・軽症者を受け入れているAPAホテルに消毒液100本を寄贈することも発表した。しらべぇ編集部は、5代目蔵元の久慈浩介氏に話を聞いた。


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■「協力してよい方向に」

以前からAPAホテル社長や専務と懇意にしていたという久慈氏。軽症者受け入れを早期に表明したことについても「素晴らしい決断と覚悟をお決めになったと心から尊敬していた」と語る。

そこで消毒用アルコールについて聞いてみたところ、十分ではないようだったため、「私たちも少しはお役に立ちたいとの思いで、寄付させていただきました」と、久慈氏。

「世界が困難と闘っている時に、少しでも協力し合って良い方向に進めるようになれば幸いです」と思いを述べた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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