新型コロナ不安で眠れない時は… すぐ寝落ちできると話題の「4−7−8トリック」
新型コロナウイルスの世界的パンデミックで、たとえようのない大きな不安と闘っている人は少なくない。
新型コロナウイルス感染症では、クラスターが発生、重篤化で死亡、若者の重症化、小児に川崎病のような重い症状、といった心配なニュースが連日のように飛び込んでくる。気になるのは、強い不安から睡眠の質や量が落ちてきたと感じる人が少なくないことだ。
■不安は不眠に直結
世界的にみても、ワクチン開発は始まったばかりで、治療法も確立していないという新型コロナウイルス感染症。感染ばかりか、コロナ禍での商売の継続や生計の維持など不安は尽きず、それらが強いストレスとなって心身の調子を崩す人も少なくない。
ストレスは胃腸や肌に現れる人もいれば、頭痛や動悸が生じるという人も。だが、その基本に不眠の問題を抱えている場合が多く、不安と不眠には切っても切れない縁がある。そんな中、欧米で話題になっているのが、「4−7−8トリック」と呼ばれる呼吸法だ。
■4−7−8トリックとは
口を閉じ、4秒間かけ鼻から静かに息を吸い込んだら7秒間静止。口を細くすぼめて8秒間かけゆっくりと息を吐き切る。ヒューッと細い音をさせながら吐くことで腹式呼吸が簡単になり、副交感神経が優位に。これが全身をリラックス状態に導いてくれるのだ。
新型コロナの不安で不眠を訴える人々が急増する米国で今、この呼吸法を強く薦めているのが医学博士兼作家のアンドリュー・ワイル氏だ。
「これは神経系に作用する天然の薬。睡眠障害ばかりか日常生活でも強いストレス、不安や緊張を感じた時にもどうぞ」とワイル氏。睡眠導入剤、抗不安剤や鎮静剤など、薬に頼りたくない人はぜひとも試してほしいという。
■数日で効果を実感
ヨガや瞑想の世界ではよく知られるこの呼吸法。日本でもたとえば東日本大震災のような大規模災害時において、不安で眠れない人たちが急増したことを受け、こうした呼吸法を指導して回る看護師や保健師の様子が報じられることがあった。
初めて試した時には「効果がよくわからない」と言っていた人も、あきらめずに繰り返すうち、数日後には「気づいたら寝落ち」という状況を経験するようになるという。
4秒かけて吸いこむのが難しい場合は、とにかく息を細くゆっくりと吐き出すことに集中する。これだけでもリラックス効果が十分得られるようだ。
■6〜7時間の睡眠を確保して
まずは息をゆっくりとすべて吐き出し、複式呼吸を意識したところからスタートさせ、何も考えずこの深い呼吸法を4~5サイクル。夜遅くまでパソコンに向き合うなど神経が緊張している時はやや増えるが、記者自身もこれには大きな効果を感じている。
欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)などは、「睡眠が5時間未満だと喫煙者と同等の心臓病リスク」と警告している。少なくとも6〜7時間の睡眠を確保したいものだ。
・合わせて読みたい→新型コロナ感染も認知症やダウン症があれば治療は後回し? 米国で抗議の声
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)