東ちづる、「福祉崩壊」避けるため注目の支援プロジェクトを始動
女優の東ちづるが代表を務める一般社団法人「Get in touch」など4団体がプロジェクト「#福祉現場にもマスクを」を始動させた。
福祉現場でマスク不足が深刻化する中、女優の東ちづるが代表を務める一般社団法人「Get in Touch!」など4つの団体は、現場をサポートするプロジェクト「#福祉現場にもマスクを」を始動。
24日、4団体の代表がオンライン上で記者会見を行った。
■状況が悪化する福祉施設
13日、広島市にある福祉施設の入所者や職員総勢20数名が新型コロナウイルスに次々感染したということが各メディアで報じられた。
感染者集団(クラスター)が広島市内で確認されるのはこの施設が始めてのケースであるが、介護や介助を行うためには、ソーシャルディスタンスをとることや、3密(密接、密集、密閉)を避けることが難しいことも同時に問題視された。
■現場からはSOS
今回の活動に賛同している一般社団法人障害攻略課の理事・澤田智洋氏は「現場からはSOSが次々出ている状況です。職員が万が一感染していた場合、接していた障害児、障害者に感染させてしまうリスクがあります。また、地域に感染者が多く出たから福祉施設をストップさせるという話も。そんなことが続けば、医療崩壊だけでなく福祉崩壊が起きる」と現在の状況に危機感を募らせる。
さらに入所者や利用者、職員が使うマスクは現場には潤沢にない。それゆえ4団体がまず着手するのはマスクの寄付だが、「寄付金はマスクの購入費用に当てたい。マスクを送るところから始め、その間に現場が困っていることをさらに洗い出す」(澤田氏)と、その後の支援についても知恵を絞っていることを明かしている。
■この状況が収束するまで…
東ちづるは、「ある施設では入居者・利用者のみならず、ケアしていた支援員も新型コロナウイルスに感染していた。現場には不安が広がっており、涙ながらに落ち着かない心境を話してくれた職員さんも…。また、中には『うちは少人数の福祉施設なので、大きな施設を優先してあげて下さい』とマスクの受け取りを我慢してしまうケースもあった」と、各所ともギリギリの状況であることを吐露。
すでにマスクを寄付した施設があることも明かし、「十分な数を送ることはできなかったですが、それでも送ると大変喜んで頂ける。マスクの写真を撮影して送ってきてくれたり、これのお陰で安心感が高まったという感想も。家族も、支援員もホッとしますので、そんな空気感が当事者(利用者)たちにも伝わる」と、いい流れが生まれつつあるという。
「ただ送っても送っても、この状況が収束するまではずっと続くということになる」と長く厳しい戦いになることを予見しつつも、今できることを精一杯続けていくと改めて語っていた。
・合わせて読みたい→東京・大田区の特養老人ホーム職員が新型コロナに感染 「PCR検査対象者は約70名」
(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤星生)