遺体を車に乗せ隣町めざした家族 検問で見つかるも許された理由
亡くなった家族を、せめてしっかり見送ってあげたい。そう考えた遺族が遺体を車に乗せ、埋葬場所を求め隣町を目指した。
新型コロナウイルスの感染拡大が、極めて深刻なエクアドル。そんな中、家族を亡くし悲しみに暮れる遺族が「埋葬する場所がない」という事実を知り、隣町への移動を決意。車に遺体を乗せ隣町を目指したが、不審に思った検問員に移動を阻止されてしまった。
■遺体を車に乗せた家族
南米エクアドル・グアヤキルで、62歳の男性が急死した。糖尿病を患っていた同男性は、心臓の状態が悪くなり死亡。
遺族は男性の死を悲しみ「きちんと見送ってあげたい」と考えたが、新型コロナウイルスの流行で多くの死者が出ているグアヤキルでは、業者も対応しきれない事態に。遺体を埋葬する土地も確保できず、棺も品薄で手に入らないと分かり困り果てた。
■「寝ている」と嘘
「このままでは埋葬してあげることもできない」と考えた遺族は、「ならば隣町に行くしかない」と考えた。
棺もないため遺体を車の後部座席に固定した遺族は隣町を目指したが、検問所で車内を確認した検問員はまるで動かず肌も変色した男性を見るなり不審に思い、「この人を起こしてください」と要求。
困った家族は「ぐっすり眠っているのです」と嘘をついたが信じてはもらえず、「ならば先へは進ませない」と言われたことから「実は死体です」と事実を明かした。