新型コロナ最前線で感染した看護師 アパート退去を命じられる
ひとりでも多くの患者を救いたい。その一心で働いていた看護師が新型コロナウイルスに感染し、思いもよらぬ仕打ちを受けた。
■感染発覚とその後
ところがある朝、クララさんは「食べ物の味が分からない」「嗅覚障害も出ている」と自覚。この時点で「間違いなく新型コロナウイルスに感染している」と確信し、3月22日に検査を受け、翌日には陽性という結果を得た。
その直後にアパートの経営者に連絡し「ウイルスに感染しました」「ルームメイトにはうつさないよう自室にこもります」と伝えたが、経営者とルームメイトたちは、クララさんがアパートで暮らし続けることに眉をひそめた。
■退去命令にショック
キッチンなど共有スペースがあることから、経営者はクララさんに「今すぐに出て行きなさい」と命令。クララさんは仕方なくホテルに移り、今は所属する看護協会が新居を見つけてくれるのを待っている状態だ。
ちなみにクララさんの同僚のひとりも、やはり同じ問題に直面。そちらは高熱が出ていたにも関わらず何日間も車中泊に耐え、その後にやはりホテルに移ったという。
命がけで仕事をしているにもかかわらず、感染発覚と同時に住む場所を失ったクララさんたち。多くの人たちが「気の毒だ」という声を上げているが、「感染を恐れたアパート経営者の気持ちも分かる気がする」という声も皆無ではない。
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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原)