医療従事者のコロナ感染死がイタリアで100名超える 疲弊と感染で自殺2名も

強い精神力、責任感、そして使命感を胸に新型コロナウイルス感染症の治療にあたる医師・看護師たち。その心身の健康状態が懸念されている。

2020/04/08 12:00

医師・病院
(anurakpong/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

日本時間の4月7日正午現在、132,500名を超す新型コロナウイルスの感染者と16,523名の死者が確認されているイタリア。新しい感染者が連日4,000人前後確認され、医療現場で働く人々の疲弊は限界に達していると伝えられている。


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■感染・肺炎患者・死者数に一喜一憂

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の蔓延をなかなか食い止められずにいるイタリア。

ロックダウン(外出禁止を伴う都市封鎖)の効果が表れ始めたといわれるフランス同様、いったん死者数が減少傾向と伝えられたものの、人々の祈りや期待を裏切るかのように、新しい感染者がまた微増傾向を示し、肺炎患者がいまだ次々と病院に運び込まれているという。

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■12,000人以上の医療従事者が…

イタリアでは、これまで12,000人以上の医療従事者が新型コロナウイルスに感染。その数は全感染者の1割ほどに相当し、医療現場からは「疲れているのに不安でよく眠れない」との声もあがっている。

そんな中、感染した医師や看護師の間でついに新型コロナウイルス感染症による死者が100名を突破したと、英国のメディア『SKY NEWS』が伝えた。内訳は医師80人と看護師21人だという。

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■感染の危険と常に背中合わせ

たくさんの重症肺炎患者の治療にあたり、時には最期を看取るなか、知らぬ間に感染してしまう医師や看護師たち。治療の甲斐なく命を落とす人に、同僚たちは悲しみと悔しさでひどく打ちのめされている。

また自ら死を選ぶ人も。ヴェネト州ベネチアでは49歳の女性看護師が発熱の2日後に川に身を投げ、ロンバルディア州モンツァの34歳の女性看護師は、本人の感染が判明してほどなく自ら命を絶った。

恐怖、不安、絶望感などと日々闘っている医療従事者の保護については、完全な防護服の配備と心理面でのケアが急務となっているほか、十分な休息のため引退した医師、看護師や医療ボランティアの参加が強く求められている。


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■「再び陽性化」の悪循環

新型コロナウイルス感染症の大流行に陥ってしまった国では、医療現場はもちろん社会全体がこのウイルスの「しぶとさ」に苦戦し、圧倒されている。

現在大きな注目が集まっているのは、ウイルス検査で「陰性」のお墨付きで退院した人が再び「陽性」に転じ、重症化して病院に戻って来る事例が増えていること。

回復した患者に12時間の間隔で2度ウイルス検査を行い、ともに陰性を確認すれば退院という国もあれば、24時間の間隔で3度の検査を行ってからという慎重な国もある。退院後の自主隔離の必要性についても各国で検討されている模様だ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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