エレベーターにコロナ対策 シンガポールが「3ヶ月効く強力な消毒液」を配布
ウイルスや菌まみれのエレベーターのボタン、エスカレーターのハンドレール、ドアノブ、手すり、つり革…。考えるだけで頭が痛い。
日本時間の4月4日午後3時現在、全世界で110万人以上の感染者と59,197人の死者が確認されている新型コロナウイルス。ついに感染者が100万人を突破してしまった。これ以上の蔓延を食い止めるため、我々民間レベルでもいろいろできるのではないか。
そんな中、シンガポールでは新型コロナ感染予防のための特殊な消毒作業が始まり、世界の関心を集めている。
■触れたくないものばかり
感染者が無症状、あるいは軽い風邪のような症状のみで出勤し、通学し、人と集い、街を歩き、飲食し、遊び、そうしたなかでジワジワと感染が拡大していく新型コロナウイルス。
エレベーターのボタン、エスカレーターのハンドレール、ドアノブ、手すり、つり革、紙幣や硬貨のやりとりなど、一歩外に出れば感染する危険のあるものが多数目に飛び込んでくる。
■エレベーターのボタンは不安
シンガポールでは、国民の8割が公団住宅HDB (Housing Development Board)が手掛ける高層マンションに暮らしているが、そこでは誰もが「エレベーターのボタンに触れるのが不安」と訴えてきた。
これを重く見て行動に出たのは、チャンギ国際空港グループ(Changi Airport Group)だった。
■病院用抗菌コーティング剤
HDBの高層マンション各棟で今、『sdst』のマークが入った白いスプレーボトルを手にした作業員たちが、エレベーターのボタンに対するコーティング作業を進めている。HDB全体でマンションのエレベーターは約26,000基。ボタンの数は150万個にも及ぶという。
『sdst』は自己消毒作用が認められており、効果は3ヶ月ほど持続。大規模病院の集中治療室(ICU)内で多用されるなど、知る人ぞ知るプロの抗菌コートだそうだ。
■各地区で「安心」の声
この件に関し、2日に記者会見を行った同グループの慈善活動団体『Changi Foundation』。国内16地区に計650リットルの『sdst』が配布となり、大変喜ばれたとしている。
説明によれば、第四級アンモニウム化合物を含む高性能自己消毒コーティング剤『sdst』は環境にもやさしく、ものの表面に付着したウイルス、細菌、真菌に対応し、繁殖を妨げるとのこと。すでにシンガポール・チャンギ国際空港でもあらゆるところに塗布済みだという。
ただし、ボールペンの先など鋭利なものでボタンを突くとせっかくのコーティングが剥がれてしまう。利用者の理解と協力が必要になるそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)