新型コロナハイリスク群のために開店時間を前倒し スーパーの試みが話題に

コロナ弱者を苦しめないためにも、新たな感染者を出さないためにも今こそ知恵と工夫を…! 

2020/03/29 08:20

スーパーマーケット・マスク
(ThamKC/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

遠くまで出かけ物資を大量に買い込むための車もない。高齢あるいは健康上の問題から、新型コロナウイルスに感染すれば重症化のリスクがある。

そんな、いわゆるコロナ弱者たちの安全と安定した消費生活を守ろうと立ち上がったスーパーマーケットの話題が、アイスランドほかから伝えられた。


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■人口1万人あたりの感染者数は世界2位

国土が北海道ほどの面積というアイスランドでは日本時間の3月28日午後4時半現在、890名を超す新型コロナウイルスの感染者と2名の死者が確認されている。

人口が10万人を超える地域の1万人あたりの感染者数は22.28名だといい、これはルクセンブルクに次いで世界ワースト2位。外務省が定める「感染症危険情報」は、渡航中止勧告を示す2番目に強いレベル3で、水際対策強化措置として「上陸拒否対象地域」にも指定された。

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■「完売」に茫然となる弱者たち

新型コロナウイルスの蔓延をみる世界の多くの街で今、買い占めや在庫調整によりトイレットペーパー、ティッシュペーパー、消毒ジェルが手に入りにくい状態にあり、冷凍食品やストッカーでの保存が効く食料品が軒並み「完売」という街も少なくない。

商品が消えた棚を前に茫然と立ち尽くす高齢者や障害者の姿に、誰もが「あまりにも気の毒」と感じるも、何もしてあげられない無力感でいっぱいだ。

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■ハイリスク群は1時間早く入店

そんな中アイスランドでは今月中旬以降、大手スーパーマーケットの「Nettó」や「Kjörbúðin」が高齢者、身体障害者、基礎・慢性疾患があるなど、新型コロナウイルスに感染した場合のハイリスク群とされる人々と一般客の入店時間を分ける試みに出て、各方面から称賛の声があがっている。

通常の開店時刻は午前10時だが、いずれも現在はそれより1時間早く9時に開店。そこから10時まではハイリスク群の客のみが入店できるという。


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■スコットランドのスーパーも

買い物はもちろん、外出そのものがウイルス感染の危険性を伴うことから、ヨーロッパでは同様の取り組みを導入する国が増えている。たとえばスコットランドでは、ハイリスク群のほかに医療従事者を優先させる大手スーパーマーケットが次々と登場。

昼夜を問わず新型コロナウイルスの検査や治療にあたってくれていることへの労いと感謝の気持ちを込め、彼らが必要なものを確実に入手できるよう特別枠の時間を設定している。

ロックダウンの目的は感染者をこれ以上増やさないこと。それを成功させ、無事乗り切るためにも、さまざまな知恵と工夫が求められているといえそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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