コロナ感染者数ついに米国が世界トップに NY市がとりわけ深刻な理由とは

人口密度の多さゆえ状況はさらに深刻化か。新しい感染者をこれ以上出さないため、ロックダウン効果に期待が集まっている。

2020/03/27 20:30

ニューヨーク
(Chaay_Tee/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

3月に入って以来、新型コロナウイルス感染者の数が驚異的に増えていた米国。数日前にはスペインを抜いて世界第3位の感染者数となっていたが、ここ1日でついに2位のイタリアを抜き、トップの中国をも抜いてしまった。


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■突然増えた感染者数

日本時間の3月27日午前10時25分現在、85,300名を超す新型コロナウイルス感染者と、1,295名の死者が確認されている米国。感染者の半数近い37,250名超がニューヨーク州、特にニューヨーク市とその周辺から出ているという。

サンフランシスコでの大流行が伝えられるカリフォルニア州、シアトルを擁するワシントン州の感染者数にも注目が集まっているが、いずれもニューヨーク州の10分の1ほどだ。

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■水際対策ほぼ万全も…

米・疾病予防管理センター(CDC)が連日のように感染予防のための諸注意や自主隔離の重要性を国民に訴えかける一方で、トランプ大統領は海外から帰国する国民以外、30日間にわたりヨーロッパからの入国者を禁じる措置を発表。水際対策はほぼ万全だ。

また、ロックダウン(外出制限による都市封鎖)の徹底が図られているサンフランシスコやニューヨークは、ゴーストタウン化した街のかつてない異様な光景が写真や映像で世界に伝えられている。

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■マスク人口が少ないNY市

ニューヨーカーたちは暮らしているアパートメントとオフィス・ビルを地下鉄で行き来し、日に何度もエレベーターに乗り、ジム通いも熱心だ。しかし悲しいかな、マスク人口がとにかく少ない。

マスクが好きなアジア人の様子を「変人」と呼ぶほど、彼らには元々マスクの習慣がなく、花粉症の人たちも飲み薬に頼り、マスク姿だけは「不気味」「カッコ悪い」と避けてきた。

ニューヨーク州で初の新型コロナウイルス感染者が出て3週間ちょっとだが、今頃マスクの効用を知ったところで流通も在庫がそもそも少ないこともあり、着用しているニューヨーカーは今なお驚くほど少ないという。


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■マスクの安定供給こそ急務

ニューヨーク市ではロックダウンによる状況の好転に大きな期待が集まっているが、並行してマスクの重要性にやはり関心が高まっている。感染者はマスクをしてウイルスをまき散らさないよう、周囲もマスクをして飛散するウイルスの感染防止を意識する、そんなダブル・バリアが理想的だ。

難しいのは感染しても無症状の者、潜伏期間にある者も周囲に感染させる可能性があること。そのため「誰もがマスク」という状況が望ましいといえるだろう。

しかし世界じゅうでマスクが欠品している。安定した生産と供給のため「政府が1日も早く介入して」と望む声は日本でも多い。ウイルスや菌を特に寄せ付けない、サージカルマスクと呼ばれるタイプのマスクであれば、なおありがたい。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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