日本語でいいのに… 河野太郎防衛相も嘆く「コロナの説明はカタカナ語ばかり」
コロナ問題はカタカナ語ではなく日本語で説明を…。そう訴えたのは、米国の名門ジョージタウン大学を卒業した議員だ。
新型コロナウイルスの感染拡大で、各局ともニュースやワイドショーには連日のように専門家が招かれ、様々な説明や見解が論じられている。そこで連発されるのが難解なカタカナ用語だ。「日本語で何という意味だろう」と感じてしまう人も多いのではないだろうか。
■河野防衛相もツイッターで嘆く
珍しいカタカナ語が続々と出てくる、新型コロナウイルス感染拡大に関する専門家の説明。医学に通じた人々にとっては難解でもないのだろうが、一般人にはおよそ縁のなかった用語ばかりだ。
そんな中ツイッターで、なぜカタカナばかり使うのかと疑問を投げかけたのは、137.3万のフォロワーを持つ河野太郎防衛大臣だった。22日16時現在で15.3万もの「いいね」を集めている。
クラスター 集団感染
オーバーシュート 感染爆発
ロックダウン 都市封鎖
ではダメなのか。なんでカタカナ?— 河野太郎 (@konotarogomame) March 21, 2020
■カタカナ語の羅列は不快
やけに横文字を並べる、難解なカタカナ語を多用する人については、以前から「最初から日本語で示せば誰もがすんなり理解できるのに、わざわざカッコつけるな」といった批判の声が多かった。
そのツイートのなかで河野大臣が「クラスター=集団感染、オーバーシュート=感染爆発、ロックダウン=都市封鎖」と説明してくれた通り、新型コロナウイルスに関しても、公衆衛生学、疫学や医療現場でひんぱんに使用される多くのカタカナ語は日本語でも表現できるようだ。
■オーバーシュートに至っては…
オーバーシュート(overshoot=度を越し、行き過ぎてしまうの意味)という用語も、「勘違いや誤解が生じる」と話題になっている。
オーバーシュートと聞けば、金融業界の人なら「為替相場が過度に変動してしまうこと」と言うだろうし、航空業界の人なら滑走路でのオーバーランを想像するようだ。
またスポーツをやる人なら、シュートしたボールが勢い余って大きく外れる様子などを想像してしまうのかもしれない。これはやはり、「爆発的な感染拡大」といったわかりやすい日本語を使えばよかったのではないだろうか。
■耳慣れないカタカナ語が続々と
・リンク(感染源・感染経路)
・流行の範囲:アウトブレイク(集団発生)→エピデミック(国は超えない大規模伝染)→パンデミック(世界的流行)
・スーパースプレッダー(10人以上に感染拡大させた感染源となる患者)
・エアロゾル(ウイルスなどが霧のように空気中に漂うこと)
・トリアージ(各患者を緊急度や重症度で評価し、治療の順番を決めること)
ただし「新型コロナのような新しい感染症は今後も世界で時おり発生する」と断言する専門家は多い。確かに耳慣れないカタカナ語ばかりだが、なかには「不快だと否定するのではなく、これをきっかけに少しでも覚えて正しい情報収集に努めてみたい」と言う人もいるようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)