新型コロナ影響で相次ぐ「開催自粛」 新木場スタジオコーストの看板が話題に

3月になってから、多くのイベントが開催を自粛。そんな中で、新木場スタジオコーストが打ち出したスローガンとは…。

2020/03/12 15:40

新木場スタジオコースト

新型コロナウイルスの感染拡大による政府からの要請を受け、アーティストのコンサートをはじめとする各種イベントが、軒並み中止や延期となっている。

そうした中、東京都江東区にある新木場STUDIO COAST(スタジオコースト)の看板が、ネット上で注目を集めている。


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■スタジオコーストといえば…

スタンディングでは2,000人以上を収容できるスタジオコーストは、国内でも最大級のライブホール。ロックを愛聴する人であれば、一度は訪れた経験があるだろう。

週末はクラブイベント『ageHa』としても営業しており、現代のクラブカルチャーを象徴する会場でもある。

しかし、そんなスタジオコーストも新型コロナウイルスの影響を受け、イベントの開催中止・延期が続いている。そんな中、ツイッター上ではあるユーザーの投稿したスタジオコースト外観の看板写真が話題に。

そこで、しらべぇ編集部は現地に赴き、ブッキングマネージャーから話を聞いてみた。

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■スタジオコーストの象徴的存在

新木場スタジオコースト

スタジオコーストを何度か訪れた経験がある人ならばご存知と思うが、同ホールは毎回イベント名に合わせて看板が変わるシステム。「ライブでスタジオコーストに来た」というツイートがあれば、十中八九、外観の看板の写真もセットになっている。

11日、しらべぇ編集部がスタジオコーストを訪れると、そこには「WE BELIEVE OUR FUTURE」(私たちの未来を信じる)という何とも粋なメッセージが。

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■スローガンの由来は…

スタジオコースト

ブッキングマネージャーの話によると、東日本大震災が起こった2011年3月11日以降に生まれたのがこの看板のスローガンだという。

マネージャー:東日本大震災が起こった後、やはり多くのイベントやライブが中止や延期になって、ひと月ほどは何も開催されない状態が続きました。そんな中、スタッフたちで「何かポジティブなメッセージを打ちだそう」と話し合って生まれたのが「WE BELIEVE OUR FUTURE」というスローガンです。

当時はこのスローガンを基に、STUDIO COASTとageHaのロゴをモチーフにグッズを作成し、チャリティーパーティーも開催しました。どちらも収益は義援金として寄付しています。

それ以降、毎年3月11日付近のイベントがない日は看板の仕様を変更してきました。今回の新型コロナでの自粛のように、閉塞的で先が見えない状況だからこそ、こういった前向きな考えがとても大切だと思います。

https://www.instagram.com/p/B9k-mLrJncc/

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■イベントホールの損害

スタジオコースト

「予定していたイベントがなくなる」ということは、我々が予想している以上の損害をイベント会場に与えるようだ。

マネージャー:イベントそのものがなくなると、スペースを貸し出す費用のほか、バーで販売するドリンク代やロッカー代といった収益が一切なくなってしまいます。

とくに3月はイベントやライブの繁忙期ということもあり、今回のイベント自粛の影響は各地でかなり大きなものとなっているはずです。


そのような苦境に置かれながらも、スタジオコーストはツイッターより、「大変な時期ですが、1日も早く皆様と笑顔でお会いできる日を楽しみにしております!」と、どこまでも前向きなメッセージを発信。イベントを心待ちにしている人々の心を強く鼓舞している。

どれだけ逆境にあっても、ポジティブな姿勢を忘れないスタジオコースト。看板のスローガンを見て、心を打たれた音楽ファンは数多いはずだ。

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(文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ

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