暴走か最適解か 新型コロナに対処する安倍政権の戦略とは
次々と新型コロナ対応をし始めた安倍内閣の見方について、国家の自律モデルとコロナ対策とを区別することで分析
■安倍内閣による矢継ぎ早の要請
安倍首相は、大規模イベント自粛の要請や学校の一斉休校とある時期を境に次々と緊急的な措置を施した。10日には、イベント自粛要請をさらに10日間延長することも発表されている。
しかしながら、これらの対策は賛否を呼び、とくに学校の一斉休校に関しては批判の声も強い。保育NPO法人の代表理事である駒崎弘樹氏もTwitterで、共働き家庭が働けなくなり医療・福祉が崩壊するとしてこれを強く批判している。
■要請前の支持率の低下
ちょうどこれらの緊急対策がとられる前より、2月中旬から2月末にかけて安倍政権の支持率が下がり、不支持率が上がっていた。これはやはり新型コロナ対応の問題だと見られている。
とくにクルーズ船内対応において、新型コロナをあたかも船内培養する形になってしまったのは非常に問題であった。この支持率の低下と安倍首相の緊急措置が対応していると見ることができる。
■安倍内閣の自律性モデル
これはニクラス・ルーマンの社会システム理論や合理的選択理論などの枠組みにおいて体系づけることができる見方だ。社会を読み解くにはモデルの単純化が肝心である。
合理的選択理論の見方からすれば、最も合理的で効率的な行動モデルを据えておく必要があるのだ。
また社会システム理論を応用すれば、政治現象はあくまで政治自体に関する関心において自律的に動く。つまり、必ずしも政治が社会問題をどうにかしようとして動いているわけではないと見ることができる。
つまり、国は新型コロナというより支持率に執着していると考えるのだ。