日本維新の会・柳ヶ瀬裕文参院議員に聞く 「ネット活用で全国比例5万票獲得も」

日本維新の会で国会議員団青年局長を務める柳ヶ瀬裕文参院議員。東京都議から2019年の参院選で初当選した。

■アベノミクスは「誰でもできる」

「安倍政権が長く続くのは本気で規制改革しないから」と喝破する柳ヶ瀬議員だが、国家戦略特区がイメージダウンしてしまった経緯についても批判した。

柳ヶ瀬:私たちは安倍政権を批判していますが、それは、国益のために戦うのか、長期政権を選ぶのか、どちらなのかを問うているのです。


これまでは国益のためにファイティングポーズをとってきたからこそ応援してきましたが、国家戦略特区でのモリカケ問題で、規制改革がいかがわしい、一部の人たちの利益を求めるものだというイメージづけがされてしまいました。


規制改革の中核にいた原英史さん(内閣府規制改革推進会議委員)が、森ゆうこ議員から激しく攻撃されても、自民党の誰もそれを助けなかった。擁護したのは維新だけです。


アベノミクスでいう財政出動などは、みんなが喜ぶわけだから誰でもできる政策。成長力が上がらないお金の配り方をずっとしてきたわけですが、それでは旧態依然としたところにばかりお金が流れてしまって意味がありません。


都議時代の経験も活かし、話は豊洲市場問題にも及ぶ。

柳ヶ瀬:たとえば、豊洲市場の問題でも、このネット時代に産地直送の相対取引も進んでいる中で、中央卸売市場はもう必要ないものです。しかし結局、重層的な産業構造を残してしまいました。


今でも大きな権力を持っているこうした存在を守ることによって、非効率な社会になっています。多くの無駄があって、多くの投資が吸収されていく。技術の発展にも対応できない。


維新は、業界団体から企業献金をもらわないと決めた唯一の政治集団です。そうした団体とお付き合いしていると、真に国益になることを言えなくなってしまうためですが、お金も票ももらわないから、選挙は大変です(苦笑)。ただ、「物が言える集団」と自負しています。


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■「子育ては儲かる」に転換を

最後に、急速に進む少子化に対して、今から手の打ちようがあるのかについても聞いてみた。

柳ヶ瀬:日本はまだまだ子育てにお金をかけていないですから、できることはあると思います。「子育てはお金がかかるから難しいな」と思う方は、たくさんいらっしゃる。「子育てしたら儲かる」くらいお金をかけていくべきです。


不妊治療も現在は莫大な費用がかかっていますが、そのコストを税金から出していく。財源については、世代間格差の問題も見ながら大胆なシフトが必要だと思います。


また、若い人たちは奨学金の返済で汲々としていますが、奨学金の徳政令が実現すれば、結婚や子育てに対する意欲が変わってくるはずです。


できることは沢山あるのに、そこにお金を振り向けようとしないのは、政府与党が投票率の高い人たちや業界団体を見ているから。


票とお金をくれるところに税金を回すシステムを打破しないと、大きな改革はできません。そのためにはしがらみのない政治をやらないと。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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