「地球は本当に丸いのか」 低予算自家製ロケット打ち上げ失敗で男性が死亡
宇宙に飛び出したいという夢は男の究極のロマン…!?
リムジンのドライバーとして働くなか、スタントで大ジャンプを成功させるなど命知らずな冒険家として鳴らしていた1人の男。彼はいつからか宇宙探査が自分の最後の夢だと語るようになっていた。
■自家製ロケットに託す夢
米国・カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡で22日午後2時近く、「マッド・マイク(Mad Mike)」の異名で知られるマイク・ヒューズさん(64)が、自家製ロケットの打ち上げ失敗により死亡した。
アメリカでは数年前から蒸気推進式の小型宇宙船の開発が進められ、男たちの夢とロマンをおおいにくすぐっていた。マイクさんもそれに魅了された一人だった。
■予期せず開いたロケット
低予算での蒸気ロケット製作に強い関心を抱き、2014年の打ち上げで地上500メートル超を記録したマイクさんは、着陸時に大怪我を負ったにもかかわらず「さらに上空を目指す」と宣言。200万円の予算で完成したこのたびのロケットの目標は地上1,500メートルだった。
ところが打ち上げ直後に白煙のなかにパラシュートが現れ、それが大きく引き裂かれ、さらにマイクさんの無防備な体が黒い点となって上空から降ってきた。予期せずロケットが開いたことが考えられるという。
■地球平面説を信じていた
同郡バーストー近くの乾ききった大地に全身を強打して死亡したマイクさん。彼はじつは地球平面説を信じる熱心な論者で、「地球が平らなことを立証してやる」という意地がロケット作りのモチベーションになっていた。
気絶していなければだが、上空での数秒間でマイクさんは地球が丸いことを見ていたのかもしれない。彼を支えてきた仲間や妻は悲しみに暮れている。
■夢を見続ける人生
2002年にはリンカーン・タウンカーのリムジンで31 mのジャンプを成功させ、『ギネス世界記録』に認定されていたマイクさん。2018年にはカリフォルニア州知事選への出馬意欲を語るなど、いつも大きな野心と夢を胸に秘め、彼の人生観は常にポジティブだった。
このたびの試みが成功すれば、自家製ロケットに夢中になる男たちの姿を追う『サイエンス・チャンネル』のドキュメンタリー番組として放映される予定だったという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)