「死にたい」と泣く難病の9歳児に最高の贈り物 ヒュー・ジャックマンらが熱心に呼びかけ
心の優しい人々が世界には大勢いる。少年はこのことを感じとってくれただろうか。
難病と闘いながら生きているその少年はまだ9歳。学校でイジメに遭えば、そのたびに母親の胸で泣きじゃくる。いくらなだめても「死にたい」とすら漏らすようになり、困り果てた母親は…。
■2万人に1人の難病
オーストラリアのブリスベンに暮らすヤーラカ・ベイルズさん。彼女には、四肢が短く身長が130センチほどで止まってしまう「軟骨無形成症」に苦しむ9歳の息子クワデンくんがいる。
出生2万人あたり1人の割合で発生するその難病のせいで、クワデンくんは小学校でひどいいじめに遭い、帰宅すると母親の胸に飛び込んで泣きじゃくる日々を送ってきた。
■子犬のように扱われて…
そのうちクワデンくんは「学校でみんなが僕を子犬のように扱う」「もう死んだほうがマシだ」と口走るように。ベイルズさんがいくら「気持ちを強く保ち、不快なことは無視しなさい」と導いても、幼い息子は辛そうな表情になるだけだった。
悩んだベイルズさんは深く傷つき泣いているクワデンくんの様子を撮影。ソーシャルメディアにその動画を公開して「息子をいじめないで」と訴えたところ、予想外の大きな反響を呼んだ。
■温かい気持ちが世界中から
動画と悲しみに満ちたベイルズさんのメッセージに同情する世界の人々。ある人物は「親子を笑顔にさせたい。ディズニーランド旅行を贈ろう」と企画し、クラウドファンディングにさっそくページが開設された。
それにハリウッドで活躍する人気俳優のヒュー・ジャックマン、そして小人症の体格を生かした役で多数の出演作品を持つワーウィック・デイヴィスらが反応。彼らがツイッターで呼びかけたこともあり、寄付金は日本円にして3,600万円ほどにも及んだ。
■いじめはダメとジャックマン
ソーシャルメディアには今、「あなたがどんな姿でもママにとっては大切な愛しい子」「いじめはダメ。互いにもっと親切になろう」「君にはちゃんと友達がいる。僕だよ」などの温かい言葉があふれ、親子を感激させている。
ジャックマンの「君はとても強い子だ。自分が思っているより強いんだよ」という励ましのツイートも、しっかりとクワデンくんの心に刻まれたことだろう。
ディズニーランド旅行はゴールではない。その後にも、この少年が笑顔で前を向いて歩いてくれることが何より重要だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)