地下鉄車内で倒れ新型コロナ感染者のふり お騒がせ男に5年の禁錮刑か
なんという子供じみたいたずらであろう。いや、子供たちはこんな悪質なことはしない。
新型コロナウイルスによる肺炎が世界各地で猛威を振るい始めたなか、なぜそのような悪質ないたずらを思いつくのだろう。男のあまりにも低いモラルと良識の欠如に対し、厳しい罰が下されようとしている。
■地下鉄の車内で倒れた男
ロシア・モスクワでこのほど、地下鉄の車内通路を歩いていた男がある場所で足をもたつかせてバタンと倒れ、体を激しく痙攣させた。
善意の男性2名が助けようとすぐさま手を添えたところ、男は腕と足をバタバタとさせ、そこで誰かが「この男は新型肺炎にかかっている」と叫んだという。
■車両全体がパニックに
ロシアのメディアによれば、その言葉に乗客たちは悲鳴をあげてほかの車両へと逃げるなどパニックに陥り、次の駅であわてて下車。多くが表情をこわばらせ、青ざめていたと伝えられている。
ところが、一部始終を斜め向かい側から撮影した動画がユーチューブのお騒がせ動画専門チャンネル『Kara.Prank』に投稿されていることが発覚。男と仲間2名は警察の事情聴取を受け、動画はただちに削除された。
■動画の投稿が目的だった
男はタジキスタン出身でブロガーとして活動していたカロマット・ジャボロフ(Karomat Dzhaborov)。警察には「仲間と一緒に新型コロナウイルスのネタで動画を撮影し、それをYouTubeとインスタグラムに公開しようと思った」と話したという。
さらに、「そこには正当な理由がある」と驚きの主張をしたのはジャボロフの弁護士だった。
■弁護士の主張は裏目に
「ジャボロフ氏と仲間がこの動画を撮影したのは、マスク着用の必要性と品不足を国全体に知ってもらうための啓発が目的」と弁護士。
だが、そのような悪質ないたずらは地下鉄内の治安を乱す迷惑行為でしかない。フーリガンさながらだと強い反感を買ったジャボロフは正式に起訴された。3月8日に予定されている裁判で有罪判決が下った場合は、最高で懲役5年の実刑判決が言い渡されるだろうという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)