槇原敬之を逮捕させる社会とは何か 人々が依存症になってしまう理由とは

槇原敬之、沢尻エリカ、ピエール瀧、相次ぐ違法薬物での芸能人の逮捕を受けて、人々が依存症になる原因を現代社会論的に分析。

■依存症の時代

人々に安定をもたらすものが多数なくなり、個人主義化する現代、バランスの欠いた「拠りどころ」に人々は依存する。覚せい剤などに手を出してしまう軽率さは問題だが、依存症になるということにおいて、大きな背景では同じなのだ。

身近なところでは、課金中毒やネット依存、買い物依存症など、今日、多くの人がさまざまなものの依存症になっている。依存症ということにおいては同じであり、薬物依存だからといって安易に批判することはできない。


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■薬物依存は遠い存在ではない

どの薬物なら犯罪になるかは国によって違う。法を犯すか犯さないかは、法治国家の国民であるということや、ドラッグ売買の資金源になるということにおいても、もちろん、それ自体問題である。

しかしながら、法律違反をしていない依存症を持つ者が違法の薬物依存症患者に対してたいそう威張ることができるかは、疑問だ。

「違法の薬物依存と一緒にするな」という主張は確かに非常に大事なことではあるが、もとはと言えば上記の意味で、みな同じに過ぎないのである。

同じく、「依存症を持たない者が薬物依存症患者を非難しよう」というのでもない。非難する・しないではなく、すべきは治療行為だということの背景がここまでの文章によってよりよく説明できるのだ。


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■「オンリーワン」になれる社会へ

目まぐるしく動く、自由と競争のポスト・フォーディズムの資本主義に対応する社会保障政策や経済政策が根本であるし、乱用薬物の必要のないような情報技術、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の発展が望まれる。

本当に「オンリーワン」で生きられる社会がつくられるために。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

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