槇原敬之を逮捕させる社会とは何か 人々が依存症になってしまう理由とは
槇原敬之、沢尻エリカ、ピエール瀧、相次ぐ違法薬物での芸能人の逮捕を受けて、人々が依存症になる原因を現代社会論的に分析。
覚せい剤所持などの疑いで歌手の槇原敬之が逮捕された。沢尻エリカやピエール瀧など、芸能人の薬物での逮捕が相次いでいる。なぜ違法薬物をやってしまうのか、解決方法はあるのだろうか。
■個人で生きる自由な時代
現代社会は個々人がバラバラになっているというところから始まる。一時期「自己責任」などという言葉も流行ったが、社会はどんどん人々にとって、自由でかつ厳しい社会になっているのだ。
人々は様々なテクノロジーを発展させて、地域社会やコミュニティから自由になり、個人で生きやすい社会をつくってきた。インターネットの発達は、いつでも人々と繋がっている気分をもたらしてくれるが、同時に、より個人で生きることを促してもいる。
■不安感の増大
このような現代社会の特徴は、「大きな物語の凋落」として現代批評的文脈では広く知られるところだ。社会的な共通の文脈がバラバラとなり、個々人が趣味的に、私的に、生きていくしかなくなった時代である。
「オタクの時代」の台頭もこの流れでよく理解しやすい。趣味的に生きることに没頭できればそれでよいが、そもそも「自分はどう生きればいいんだろう」ということは不安定である。
安定的な経済の時代も終わってしまった。日本の社会保障も主に高齢者向けである。芸能人も芸能人でなくても、不安定だ。