「初潮を迎えた少女との結婚は合法」 パキスタンの裁判所で驚きの判決
女の子には幸せを追求する権利も「イヤ」と拒む権利も認められないのだろうか。
■改善していた平均初婚年齢性
児童婚の撲滅を謳う多国籍プロジェクトの「南アジア・イニシアティブ」にはパキスタンも加盟しており、実際に児童婚が大きく減少していることも確認されていた。
その調査によれば、かつては13歳だったこの国の女性の平均初婚年齢性が今では20代前半になっているという。
また2014年4月、このシンド州では法定婚姻年齢を男女とも18 歳とする「児童婚制限法」を州議会が可決させていた。それだけに、誘拐・拉致という犯罪行為の末に少女に結婚を強いた男が罰せられないというこのたびの判決に、女性たちの失望感や怒りは大きい。
■娘を金持ちの男に早く嫁がせたい親も
しかし高齢の男が幼い少女を娶るという現象は、どうしてもなくならない。慣習や伝統にしたがってというより、むしろ貧しい家庭が支度金として支払われる金品ほしさで娘を差し出す、あるいは返せなくなった借金の清算や罪の代償として差し出すことがあるためだ。
これは多くが農村部で起きており、「女の子に教育など必要ない。金持ちの家にもらわれてこそ」などと考える親がいると、より顕著になっているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)