日本共産党・田村智子参院議員に聞く 「授業料値上げ・有利子の奨学金で異常事態が拡がっている」
日本共産党で政策委員長を務める田村智子参院議員。学生時代から一貫して大学授業料や奨学金の問題に取り組んできた。
■有利子の奨学金は「学生ローン」
授業料と奨学金問題の解決は、海外の政策にヒントがあるという。
田村:解決策は、ヨーロッパ並みに国がお金を出すしかないでしょう。フランスは授業料が無償ですし、ドイツも留年した人は授業料が必要ですが、基本的には無料です(一部州は有料)。
国立大学の授業料は間違いなく世界一高額で、奨学金もおそらく先進国の中で最低の水準です。借金ばかり背負わせる。グローバルスタンダードに立つべきです。
現在の制度では返済は所得連動型で、一定の所得に達していなければ先延べにしていますが、私たちの考え方は「一定所得に達しなかった年は返済したことにする」ということ。
また、利子つきで貸してしまった人の利子分は、少なくとも国が負担すべきです。利子はおかしい、奨学金とはいえない学生ローンですよ。
■異なる意見を話し合う主権者教育を学校で
自分たちが関わる政治課題が多いにもかかわらず、低迷する若い世代の関心や投票率。共産党は、どのように考え、対策しているのだろうか。
田村:これは、青年学生委員会の役割のひとつで、宣伝物をつくって配布するだけでなく、対話するためのシールアンケートも行っています。ただ、圧倒的な有権者の数からすると、私たちの活動は点でしかない。
「学校教育を変えないとだめだな」と思います。小学生くらいから、自分が意見を表明できる学校教育にしていかないと。
おとなしくしていて、手をまっすぐ挙げて正解を言えるかどうか、という教育では、子供たたちが萎縮していくでしょう。子供の頃から異なる意見を認め合いながら、話し合いを経て決めていくという経験を学校でやるべきです。
校則だって、本来は自分に関わることですから、高校生や中学生がものを言えるほうがいい。おかしいと思ったらおかしいと言えて、どうしたらいいか話し合う場があって、自分たちが関わって変えていく。
そんな経験が何もないまま選挙に行こうと言われても、主権者意識は生まれないでしょう。選挙制度を教えるだけが主権者教育ではありません。今の学校教育には危機感を持っています。