「俺はコロナウイルス感染者」嘘でフライト緊急着陸 ミュージシャンを逮捕
世の中にはやって良いことと悪いことがある。28歳にもなって、その判断ができないとは…。
お騒がせ目的の動画の投稿は世界的に見ても一時期より減少した感がある。だがよりによって今、こんな悪質なイタズラを働く者が現れるとは…。
■順調だったはずのフライトが…
各国のメディアによると、騒動はカナダ・トロントで現地時間の2月3日午前10時頃、ジャマイカのモンテゴベイ国際空港に向けてトロントを飛び立ち、順調に飛行を続けていたウエストジェット航空機の機内で発生した。
若い男がいきなり座席から立ち上がり、大きな声で「俺、新型コロナウイルスに感染しちゃった」と言い放ったのが発端だった。
■引き返した空港も厳戒態勢
コロナウイルスの感染者が乗っていると知り、乗客らは騒然となる。客室乗務員はただちに配布するマスクや手袋の準備に入り、機長は管制塔に引き返しを要請。それが認められると午後2時10分ごろにトロント・ピアソン国際空港に緊急着陸した。
続いて、オンタリオ州ヴォーン出身のジェームズ・ポトクという28歳の男が厳戒態勢のなかで医療スタッフに迎えられた。
■説明があやふやだった男
しかし、男から感染を思わせるような熱や症状が確認されず、「新型肺炎の流行地から戻ってきたところだ」と言いながら、Wuhan(武漢)をHunan(湖南省)と話すような怪しい点が多かった。
空港警察に厳しく問い詰められると、男は「インスタグラムに投稿するいたずら動画の撮影が目的だった」と説明し、その場で逮捕された。3月9日に裁判所への出頭が命じられている。
■売れっ子になりたくて
自身について、ポトク・フィリップ(Potok Philippe)という名で活動するレゲエ・ヒップホップミュージシャンだと説明した男。
「ジャマイカには年に4〜5回旅行し、音楽活動のための動画を撮影している。今のタイミングでこの動画を配信すれば、世界じゅうの注目が集まると思った」と話し、性格はあくまでも自己中心的だ。
激怒した243人の乗客にはカナダのメディアを通じて謝罪したポトクだが、なおも「オレのしたことはそんなに悪いことなのか」とこぼしている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)