「教師は人気歌手とゲームくらい覚えろ」 教育庁トップの命令に若者たちは…
「学問だけ教えていればイイってもんじゃないんだ」と教育庁長官。そんな無茶な…!?
日々の学校生活において、小学生から大学生まで若い人々は「教師」に何を求め、何を期待しているのだろうか。また保護者世代の気持ちも気になるところだ。
■教育庁のトップが珍発言
上海市のすぐ南に位置し、5,400 万 人超の人口を誇る中国の浙江(せっこう)省。
18の大学を擁するなど教育も熱心なことで有名な同省の教育庁長官が、このほど省都・杭州市で開かれた集会で全ての教師に「若い者を相手に教育する以上、彼らの文化に精通しなさい」と語りかけ、その内容が波紋を広げてしまった。
■知らないのは不勉強と批判
「君たちは『PUB、LoL、王者荣耀』を知っていますか? 知らないならとんだ不勉強。今、大流行のゲームです。」
「李西安、肖戦、王一博を知っていますか? 今、すごい人気を誇るアイドルたちですよ。」
「まずはジェネレーションギャップの解消を図りましょう。今どき人気のゲーム、芸能人や曲を覚えなさい。」
長官の命令じみたこんな言葉に慌てふためく教育者たち。多くが中高年で、そんな無茶な…というのが本音だろう。
■若者たちの反応
たとえ学問の指導力に定評があっても、保護者からの信頼が厚くても、流行についていけなくなった教師は退職となり、若い教師と入れ替わる。そんな意地悪な解釈すら可能なこの話題は、さっそく中国の『微博(ウェイボー)』でも炎上。
若者からは「僕たちを理解しようという気持ちだけは嬉しい」としながらも、「しょせん世代が違うし、そんな努力しなくても」「移り変わりは早いんだ。トレンドについてこようなんて絶対に無理だから」というコメントが。
迎合や歩み寄りは不要、むしろそんな努力は奇妙だと多くの若者が考えている模様だ。
■若作りへの印象は…
しらべぇ編集部では全国20〜60代の男女1,589名を対象に、「若作りしている人」についての意識調査を実施。そこで、子育て期にある女性ほど「見ていてイタい」と感じていることが判明した。
これは教師に求める資質に関しても同じことが言えるだろう。若手アイドルや人気ゲームの名はわからなくとも、年齢相応の理性、知識や教養を備え、重要なことを尋ねられた時にきちんと答えられる教師こそが信頼されるのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,589名(有効回答数)