「喘ぎ声も特殊な字幕で…」 聴覚障害者が大手アダルト動画サイトを提訴
喘ぎ声も尻を叩く音も、そしてムチの音も…文字であっても生々しい臨場感が欲しいということだろうか。
アダルト動画の中には字幕が添えられている作品も多数ある。だが聴覚に障害を抱えている者は、その字幕だけでは満足していないのかもしれない。
■「障害者への差別」と主張
米国ニューヨーク市ブルックリン区で、聴覚障害者のヤロスラフ・スリス(Yaroslav Suris)さんという男性が大手アダルト動画サイトの「ポルノハブ(Pornhub)」とその親会社となる「Mindgeek」に対し、異例の訴えを起こして注目を集めている。
「聴覚障害者向けの特別な字幕がないため、せっかくの動画を十分に楽しめなかった。障害者が差別されている気がする」と主張し、同サイトに損害賠償金を求めたいとしている。
■効果音やBGMも字幕で
スリスさんが求めている字幕サービスは、会話を文字化する一般的な字幕ではなくNTSCという特殊な信号を利用してBGM、効果音まで説明する「クローズドキャプション」。
彼は1日あたり1億人以上が閲覧する「Pornhub」のプレミアムユーザーとしての登録を考えたが、見たい作品にこのサービスが付いていないと存分に楽しめないと主張。
それは障害者も社会に完全に参加できることを保証する「障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act of 1990)」に違反するとしている。
■数百万本のうち字幕付きは…
ポルノハブでは特別なカテゴリーを用意しており、字幕の入った動画410本を提供中。うち362本はクローズドキャプション付きだという。
ただし昨年も700万本近い動画がアップロードされたといい、そのすべてに対してクローズドキャプションのサービスを提供するのは事実上困難だという。
■裁判が好きなスリスさん
聴覚障害者として完全なる社会参加の権利を謳い、数々の裁判を起こしてきたスリスさん。
損害賠償を求めたいとする相手は、ウェザーチャンネル、FOXニュース・ネットワーク、CBS、ワーナーブラザーズ、芸能情報サイトのTMZ、コロンビア大学、投資家向けメディアのインベスターズ・ビジネス・デイリー、ニューヨークポスト紙の親会社などで、怖い者知らずといった印象だ。
彼にとってこれは8番目の訴訟になるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)