遊具の順番をめぐり… 見ず知らずの4歳児を投げ飛ばした父親を逮捕
「よその子も我が子も同じように愛しく感じられる」という人も多いなか、こんな父親が…。
公園やキッズスペースで大勢の子供たちと一緒に遊ぶことの大切さ。譲り合いの心や協調性、我慢強く順番を待つ心など、そこは人として生きていくために必要な社会性を育む最初の場所だ。
■「うちの娘の邪魔だ!」と男
中国・広西チワン族自治区の南寧市で今月13日、あるレストランに併設されているキッズスペースで幼い男児に対する暴行事件が起き、1人の男が逮捕された。
男は店の客で幼い娘とともにキッズスペースへ。城の形をした遊具の中に娘が入った直後に別の男児が入ったことに気付き、腹を立てた。
自らも遊具に飛び込むと、「うちの子の邪魔だ」と言いながら男児の背をつかんで引きずり出し、大変な勢いで数メートル先に投げ飛ばしていた。
■強いショックで母親が通報
被害にあった男児は4歳。当時、母親は飲み物を買っていたためその場にはいなかった。戻ってみると我が子が激しく泣いており、理由を聞いて驚き、店に被害を申し出た。
キッズスペースの天井には防犯カメラが設置されており、その映像を見てショックを受けた母親はすぐに警察に通報。付近には若い女性従業員しかおらず、注意する者もいないなか男は娘の手を引いて現場から去っていた。
■「ついカッとなって」と反省も
15日、地元警察は黄(Huang)という苗字の男の身柄を拘束。500元(日本円にして約8千円)の罰金刑を言い渡した。黄は「ついカッとなり、後先のことまでよく考えずに行動した」と話し反省しているといい、一家に対しても謝罪の言葉を述べている。
だが被害にあった男児は腕と耳に軽いけがを負ったほか、少しの間、脳震とうを起こしていたとも考えられている。家族が黄に対し民事訴訟を起こす可能性もありそうだ。
■子は親の後ろ姿を見て育つ
仲良く遊んでいるかと思えば、おもちゃの取り合いや遊具の順番をめぐってすぐ喧嘩になる子供たち。幼い者同士それは仕方がないことだ。些細なトラブルなら本人同士で、また兄・姉など年長者が介入して解決となることも多い。
そんな中、トラブルが起きていないにもかかわらず、過度の被害妄想から血気盛んな大人が罪のない幼児に暴力を振るったこのたびの事件。黄を父親に持ち、その後ろ姿を見て育つ娘があまりにも気の毒だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)