「息子を重度のスマホ依存から脱却させたかった」 ある父親の決断とは
スマホにばかり夢中な我が子にいろいろな意味で不安を感じた父親は…。
何かを尋ねてもスマートフォンに夢中で返事が即座に返ってこない。家族全員で食事していても手はすぐにスマホに伸び、画面にはなぜか延々と動画が流れている。そんな我が子に「いい加減にしなさい」と怒鳴りつけたくなることはないだろうか。
■息子のスマホ依存症に悩む父親
息子がスマホに夢中なせいで家庭が一家団らんとは程遠い状況にあると悩んでいた一人が、エベレスト山登頂を2回も成功させた冒険家で、プロスキーヤーでもあるカナダ・アルバータ州カルガリー在住のジェイミー・クラークさん。
彼にはコービーくんという18歳の息子がいるが、彼は四六時中スマホを手放さない。動画が延々と再生され、それに飽きれば今度はゲームだ。
■Wi−Fiが入らないと激怒
そんなコービーくんを見るに見かねた父親のジェイミーさんは、昨年の夏休みに1ヶ月を使って親子でモンゴルを2,200キロ以上も周遊することを計画。なんとか息子を連れ出すことに成功した。
じつは数年前、家族でスキーロッジに出かけたところWi−Fiを受信できず、コービーくんは「来るんじゃなかった」と激怒。その時ジェイミーさんは「これを許してしまってはダメだ」と確信したという。
今回も旅の途中からまったくインターネットにつながらなくなり、コービーくんの表情はみるみる変わっていった。だがジェイミーさんにとってそれは覚悟のうちだった。
■変化をみせた息子
現在ジェイミーさんのインスタグラムには、冒険をたっぷりと盛り込んだ「親子モンゴル旅行」の写真がたくさん公開されている。父とともに馬に乗って広大な草原を駆け巡り、自転車やバイクに乗り、ハイキングを楽しんだコービーくん。
日頃の運動不足を返上し、大自然と触れ合いながらリフレッシュすることができた彼は、素晴らしい笑顔で「いつかはお父さんとエベレストに登ってみたい」と口にしたという。
■頭ごなしに怒るのではなく…
「息子にスマホを買ってあげたのは自分で、今後とも息子がスマホを手放さないだろうことも理解している」と話すジェイミーさん。
冒険家である彼自身もインターネットでの情報収集が欠かせない生活を送っており、美しい風景写真と思い出を綴るインスタグラムを頻繁に更新している。
だからこそジェイミーさんは息子を頭ごなしに説教することはしなかった。スマホを眺めてばかりで人生の貴重な時間を無駄にしてはいないか、ほかに楽しいことはないか、そんなことを自ら考えるための機会だけを作ってあげたかったそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)