危険な被疑者を保釈 集団レイプ被害の女性が証言直前に焼き殺される
許しがたいレイプ事件。犯人の男たちは女性の体、命をいったい何だと思っているのか。
集団レイプという深刻かつ危険な性犯罪。その被害にあった女性は3ヶ月も悩んだ末に周囲に被害を打ち明け、警察に相談した。しかし、まさかこんな悲しい結末が待っているとは…。
■出廷直前に起きた悲劇
インドのウッタル・プラデーシュ州ウンナオ地区で、集団レイプの被害にあった23歳の女性が法廷で証言するはずだった今月5日、裁判所に向かう電車に乗っていたところを数名の男に引きずり降ろされた。
ひと気のないところで体に火をつけられ放置された女性は、全身の95%に火傷を負ってニューデリーのサフダージャング病院に搬送されたが、6日に死亡した。
■銃口を突き付けられて…
レイプ被害があったのは昨年の12月中旬。銃口を突き付けられながらの集団性的暴行で、彼女は今年3月、勇気をもってウンナオ警察に被害届を出した。
1名は逃走も1名は逮捕され刑務所へ。しかし、その男も保釈保証金を支払うことで最近になって保釈されていた。
■悔やまれる被疑者の保釈
このたび女性を襲い焼き殺した男たちはその後に身柄を拘束されたが、昨年12月のレイプ事件の犯人2名とその親族とみられており、強姦、脅迫、殺人などの容疑でそれぞれに起訴された。
この被害者女性の身辺に危険性が増すことを考えたら、裁判前の被疑者の保釈はあまりにもずさんな対応だと言わざるを得ない。インドの女性たちからも裁判所の判断に対する批判の声があがっている。
■被害報告は氷山の一角か
インドで最も人口が多いウッタル・プラデーシュ州は性犯罪が多発する地域だ。1年あたり4,000件前後のレイプ被害が報告されるなど、あまりにも件数が多いせいか正しい記録が警察に残されていないともいわれている。
しかし、警察に相談するのは裁判で犯人と対峙する勇気を持つごく一部の女性たちのみ。年齢が低いほど、家族や友人など周囲の目を気にしてレイプ被害を誰にも打ち明けられない傾向があるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)