「いつも親切だから」 ファミレスのウェイトレスに客の夫婦が車を贈る
クリスマスの時期になると、アメリカからは連日のように「親切な人助け」の話題が届く。
重いお皿を手にキッチンとフロアを何往復もし、あちこちから「ちょっと…」と声がかかる。ファミレスのウェイトレスさんはとにかく忙しそうだ。
■デニーズでせっせとバイト
米国テキサス州ガルヴェストンのアドリアナ・エドワーズさんは、ファミリーレストランの「デニーズ」でアルバイトをしながら大学に通う頑張り屋だ。
高校卒業後は遠方の大学に進み、その後の人生を自力で生きて行こうと考える傾向がとても強いアメリカの若者たち。アドリアナさんも例外ではなく、親を頼ることなく自分で車を買おうと考えている彼女はデニーズで稼いだお金をせっせと貯めていた。
■笑顔で爽やかな接客
そのデニーズは自宅から往復22.5キロメートルといささか遠すぎた。彼女は毎日のように4時間半~5時間かけてそこを往復。朝食を担当する日は太陽が昇るはるか前に起きて真っ暗な中を歩き、ディナーを担当する日は危険な夜道をとぼとぼと歩いて帰宅していた。
だがデニーズの制服に着替えた途端に、疲れひとつ感じさせない素敵な笑顔に変わるアドリアナさん。彼女の親切で丁寧な接客態度は店長からも顧客からも高い評価を得ていた。
■小型乗用車が贈られる
そんな中である日、アドリアナさんに驚くような出来事が起きた。店にたびたび訪れている夫婦から、ニッサンの2011年式小型乗用車『セントラ(SENTRA)』が贈られたのだ。
その夫婦はいつも親切に接客してくれるアドリアナさんの大ファンだった。
彼女が大変苦労しながらデニーズに通っていると知って驚き、「これで少しでも楽で安全になるように。お返しは一切要らないから」と言って車のキーを渡すと去ってしまった。自動車の登録書類を見るまで連絡先すらわからない、まったくの赤の他人だったという。
■ペイ・フォワードの精神
「いまだに信じられません」と大感激のアドリアナさんだが、その夫婦はメディアの取材に「彼女が善良で親切な人だからです」と話す。
思わぬ親切で助けられた者は、今度は自分が困っている人に手を差し伸べようとする。「親切」という名のバトンを順に送りながら、愛と感謝に満ちた世の中を目指そうというペイ・フォワードの精神。
これを重んじる夫婦は、アドリアナさんの真面目な人柄を信じてそのバトンを渡したのだった。「今での通勤時間が30分に短縮されました」と嬉しそうに語るアドリアナさん。おかげで勉強時間を確保することができ、大学もなんとか卒業できそうだという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)