介護施設で起きた高齢者虐待事件 隠しカメラが暴いた真実
入居者のプライドや人権を完全に無視し手荒く扱った職員らを、法は許さなかった。
■暴かれた虐待の実態
その映像を確認すると、職員は女性に暴言を連発。さらには叩く、熱湯をかけるといった身体的な虐待を加えていたことが明らかになった。ひどい扱いを受けた女性は「どうしてこんなに殴るの?」と職員らに問いかけたが、それでも職員らは容赦なく女性を叩くという残酷さ。
さらには「宗教上の理由で野菜しか食べることができない」という女性に鶏肉を食べさせ、心理的虐待まで加えていたことが判明した。その後に通報を受け当局が捜査に乗り出し、虐待映像は法廷でも証拠として用いられた。
■職員に下された実刑判決
この虐待行為の主犯者3名にはそれぞれ懲役6ヶ月、5ヶ月、4ヶ月の実刑判決が下され、その他2名には刑罰として地域奉仕と賠償金の支払いが命じられた。
判事もこれら職員に憤り、「尊厳を踏みにじる行為にほかならない」「思いやりの心を持ち入居者を扱うべきだったのに」と厳しく批判。そのような手荒な行為を容認していた施設そのものにも苦言を呈した。
家族が「認知症だろう」と信じ込み何もしなかったとしたら、女性の余生はあまりにも悲惨なものになっていたに違いない。
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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原)