クリスマスイベントの氷像が倒れ2歳児が死亡 何らかの衝撃が加わったか
うっとりするほど美しい氷の彫刻が凶器と化してしまうとは…
かなり重い物が倒壊あるいは崩壊し、その下敷きで乳幼児が死亡するという事故は意外にも多発している。このたびはクリスマスに向けた街の名物イベントで起きてしまったようだ。
■2歳児が氷像の下敷きに
シーズン到来で、いよいよ活気を増しているルクセンブルクの美しいクリスマス・マーケット。
現地の先月24日夜8時ごろ、ヴィルオート地区にある「Place Guillaume II(ギヨーム2世広場)」のアイススケートリンク脇に展示されていた大型の氷の彫刻がいきなり倒れ、家族の目の前で2歳の子供がその下敷きになった。
心肺蘇生法を受けながら間もなく救急車で病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。
■制作したフランスの会社は…
問題の氷像を制作したのは、フランス・セーヌ=サン=ドニ県のル・ブールジェを本拠地に、ヨーロッパの多くのイベントで氷の彫刻を手掛けてきた「Ice&Art」社。
彼らはFacebookのページに、「サム・ジロー(Sam Girault)とそのチーム」として犠牲者の遺族に哀悼の意を表すとともに、「ルクセンブルク警察の捜査に全面的に協力しており、今はあまり多くを語れない」などと綴っている。
■何か特別な力が加わったか
一方で、「これまで崩壊や倒壊した作品は1つもない。自分たちもひどいショックを受けている」とメディアの取材に答えた「Ice&Art」社。
氷像は気泡の入らない透明度が高い氷のみを使用し、重みのバランスなどもしっかり計算された強固なつくりであることを強調しており、自ら崩れる、倒れるということはあり得ないとしている。彼らは、氷像に何らかの力や衝撃が加わったのではないかと疑っている様子だ。
■日常生活ではチェストが危険
重いもののが倒れてきて幼児が死亡という悲劇的な事故がよく起きているのは、じつは衣類用の大きなチェスト。幼児は引き出しを開けてそこに乗るなどして遊ぶことがあり、その重みに耐えきれずチェストが前に倒れて下敷きになってしまうという。
すでにリコールとなっているものの、欧米では少し前まで大型家具店「IKEA」の『マルム(MALM)・シリーズ』についてこうした死亡事故が相次いで8件も報じられ、世界の子育て世代を震撼させた。
大切な子供の命を守るため、設置時には無料で提供される壁に固定するためのキットを必ず使用し、決して引き出しを開けて乗ったりしないよう注意しておくことが必要だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)