福山市の非常勤職員がセクハラ・パワハラ訴え 市は「なかった」と回答
パワハラ・セクハラなどが常態化している福山市役所の実態とは…
2019/11/30 13:00
広島県の福山市役所でパワハラなどが横行しているという訴えが、しらべぇ編集部に届いた。取材班は、被害者および福山市から詳しい話を聞いた。
■「大怪我を追ったが…」
被害を訴えているのは、ネウボラ推進課に所属する非常勤の女性職員。職員によると、職場で上司や同僚から日常的にパワハラやセクハラを受け続けているという。2018年4月の勤務初日から時間外勤務を命じられた。勤務場所にタイムカードはなく、同僚らが遅刻してくることもしばしば。
同年4月11日に女性職員は、つばめの巣を除去するよう上司から指示を受け、作業を行っていたが、作業中に巣の一部が目に刺さり、白目の部分に穴があくという大怪我を追った。
その後、労災の認定が下ったが、ケガをした当時、上司から「大したことはない。仕事したらいい」と言われたとのこと。また、福祉部の元部長に診断書を出して休みたいと申し出たところ、「殴ってやろうか」との発言があった。
■休職に追い込まれ
ケガの影響で女性職員は、通院してから出勤する日々が続いた。その後、同僚らの無視が始まり、業務内容はホワイトボードに書き込まれ、「それを見ろ」という指示。
女性職員は、外の掃除を命じられ、昼休みを取れなかったこともしばしば。昼食を食べたくないときには、「食べないのなら帰れ」と上司から言われたという。
さらに職員が更衣室で着替え中に、「何をしているんだ」といきなり入ってくることもあった。女性職員は、人事課にも「部署を変えてほしい」などの相談を行ったが、適切な対応がなされることはなかったという。
職員はこれらの影響で、精神的に病んでしまい、2018年には5ヶ月間の休職。さらに、2019年は6月からも休職せざるを得ない状況に陥った。
■市は「行為はなかった」
女性職員は、9月に弁護士に相談。市に対して一連のパワハラ・セクハラの申告と職場変更の申し入れを行ったが、市は2ヶ月の調査後、「セクハラ・パワハラ行為がなかった」との回答を出した。
人事課の課長は、編集部の取材に対しても「代理人を通じて回答したように、セクハラ・パワハラはなかった」と述べた。
女性職員は、「パワハラ・セクハラ行為は、絶対に許せない」と憤る。今後については、「とにかく勤務場所を変えてほしい。本庁で勤務を続けたい」と話した。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)